吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

総務委員会 議事録(2011年5月17日)

2011年5月17日

○吉川沙織君

次に、4月13日の災害対策特別委員会において、
被災した自治体の防災行政無線について、故障
状況を把握すること、これをいち早く復旧すること、
その際に国費を投じることの必要性について指摘
申し上げました。

この質疑から1か月以上経過していますが、
現在の防災行政無線の状況について、消防庁
長官、お願いします。

○政府参考人(久保信保君)

今回の震災によります市町村防災行政無線の
被害の状況でございますが、その多く、ほとんどが
津波による流失でありますとか津波による水没に
よるものでございまして、私どもの調査によりますと、
現時点で東北、関東地方の66の市町村で被害が
出ているという状況でございます。

○吉川沙織君

第一次補正予算には、消防防災災害復旧費
補助金として計281億円が計上されています。
大臣は5月10日の本委員会において、

「今回の一次補正の中に、この防災無線、市町村の
防災行政無線に充てられる財源として、補助金として
70億円を計上しております。市町村には是非これを
積極的に活用して、できるだけ早期に整備なり回復
なりを図っていただきたいと願っております。」と答弁
されています。

この答弁から推測するに、約280億円のうち70億円が
防災行政無線の復旧に充てられることになるのか、また、
自治体ごとの交付限度額や、事業ごとに枠があるのか
ないのかについて、長官、お願いします。

○政府参考人(久保信保君)

御指摘のように、281億円、これは2つに分かれまして、
一つは消防防災施設の災害復旧費補助金、そして
もう一つは消防防災設備のものでございまして、今
御指摘ございました70億円というのは、この二つの
補助金を足した281億円の内数としてまたがって、
私どもの調査では70億円ほどがあるだろうという
ので内に計上しているというつもりでございます。

使い勝手がいいということのために、その対象と
なりますような事業、これは全体の話をまずさせて
いただきますと、広範なメニューを用意しております。

消防庁舎とか自動車とか、あるいは防災行政無線
だとか消防救急無線だとか、およそ消防防災関係の
施設設備で災害復旧にこれは措置しなきゃいけないと
考えているものにはこの予算が使えるというふうに
しておりますし、また自治体でありますとか事業ごとに
限度を設けるということもやっておりません。

○吉川沙織君

今、防災行政無線や消防救急無線、庁舎、それから
車、いろんなものに使えるというお話がありましたが、
関連して、防災行政無線の続きをお伺いします。

この補助金の対象となる防災行政無線の整備事業は、
今長官御答弁いただきましたように、故障したものを
復旧するための経費を措置するものにとどまらず、
例えば4月13日の災害特で、防災行政無線の
戸別受信機の重要性を指摘させていただいて、

そのとき消防庁からは
「非常に地域のニーズによっては有効な手段であると
いうふうに考えております。今回の復旧に当たりましては、
こういった地域のニーズに応じた無線の整備ということも
考えてまいりたいというふうに思っておりまして、最大限
必要な支援を講じるように補正予算で検討してまいりたい
というふうに考えております。」との答弁がありました。

このときの答弁を踏まえれば、防災行政無線、
壊れたものを新しく直すことに加えて、こういった
貸与事業にも使えるのかどうか、お伺いします。

○政府参考人(久保信保君)

一般的にはこうした投資的経費に使うようなものと
いうのは新しいものに使うということになります
けれども、今回の災害復旧関連の補助金につき
ましては修繕に充てるということも可能にしており
ますし、また、補正予算が成立をいたしました
5月2日が当然施行ということになりますけれども、
3月11日に遡って適用をして、3月11日以降に
壊れたものを整備をしていくといって既に5月2日までに
復旧しているというものにも遡って充当できるというふうな
ものに今回の要綱ではいたしております。

○吉川沙織君

ですから、防災行政無線の戸別受信機の
貸与事業にも使えるという解釈でよろしいですね。

○政府参考人(久保信保君)

それがどこかの会社からお借りをされたと
いうものは駄目ですけれども、購入された
ようなものであれば当然適用されます。

○吉川沙織君

これは活用できる、そしてその範囲が今先ほどの
答弁でもいろんな広範な事業で使えるとありましたが、
このことが当該自治体の消防関係者に伝わって
いなければ、なかなかこれを活用していただくことは
被災地の状況を鑑みますと難しいと思います。

このことについてはもう説明は終わっていますでしょうか。

○政府参考人(久保信保君)

補助金の交付要綱につきましては、去る5月2日、
予算成立と同時に、都道府県を通じまして全ての
地方公共団体に対して連絡済みとなってございます。

○吉川沙織君

また、総務省及び消防庁のウエブページを拝見
いたしますと、これだけ広範な事業、そして柔軟な
運用ができるにもかかわりませず、こういった内容
を広く国民の皆様に消防行政に対するスタンスを
明らかにするためには、今答弁いただいたような
制度概要を掲載して情報公開するべきでは
ないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(久保信保君)

その方向で検討をしております。できるだけ
早くホームページに載せたいと思っております。

○吉川沙織君

是非早急に対応をお願いできればと
思いますので、よろしくお願いいたします。