北杜サイト太陽光発電所視察 2015年03月03日
山梨県北杜市は、冷涼な気候に日本一の日照時間を有する
太陽光発電適地として、平成18年度から平成22年度の5か年
北杜市とNTTファシリティーズがNEDO(独)新エネルギー・産業
技術総合開発機構の委託事業として、大規模電力供給用太陽
光発電系統安定化等実証研究を行いました。
太陽光発電に関しては、その大きな可能性の一方で、昨年秋
より再エネ発電事業者からの電力系統(送電線)への新規接続
申し込みに対する回答を一時的に保留している状況にあります。
これを受けて、経済産業省は接続可能量の検証に着手、さらには
固定価格買取制度を抜本的に見直す方針を打ち出しているなど
取り巻く状況は刻々と変化しています。
このような中で、現状についてしっかり認識しておきたいと考え、
実証実験終了後の平成23年4月に施設譲渡をを受け、現在は
北杜市営である北杜サイト太陽光発電所の現地視察を北杜市、
NTTファシリティーズにご協力をいただき行いました。
太陽光発電はクリーンなエネルギーとして知られていますが、太陽
の光のみをエネルギー源としているため、天候によっては発電量が
低下したり、時刻や季節によって発電量が変化したりします。
一定の電力を保っている電力会社の送電線に、常に変化する大規模
な太陽光発電からの電力を送ると、系統に影響が出てしまう可能性が
あるとともに、太陽電池の種類によっても発電特性が異なるため、各種
太陽電池の特性を明らかにすることは必要です。
これらを背景として、NEDOでは電力系統に悪影響を与えないとともに、
様々な太陽電池で構成される大規模太陽光発電所を北杜市に構築し、
NTTファシリティーズが中心となり研究を進めてきたのです。
北杜サイトは、大きく3つのエリアに分かれています。
・モジュール評価エリア -パネル等の評価
・架台評価エリア -パネル傾斜角等の活用
・設計技術検証エリア -発電量等の比較検証
今回の視察を行うまで、太陽光パネルの種類がこんなにあるとは
思いもしませんでしたが、今回視察した北杜サイトでは、27種類もの
モジュールを用いて、それぞれの特性に応じた発電がなされていました。
同じ太陽電池であっても結晶系と薄膜シリコン系では発電
特性が大きく異なりますし、同じ結晶系であっても単結晶と
多結晶でも特性が異なります。これらのことが定量的に分かる
のは、同じ場所で様々なモジュールを使って発電しているから
こそです。
日本で太陽光発電を行う際には、日本の気候、さらにその
地域の気候に合わせた太陽電池を選ぶ必要があることを
データを見ながら実感しました。
北杜サイトでは、パネルの傾斜角度の違いによる影響もデータ
があり、パネルの角度の違いについて視認するとともに、データ
にも触れました。15度、30度、45度で実験されていましたが、
設置角度によっては後ろのパネルまでの距離が大きくなってしま
ったり、角度が大きすぎると風対策が必要になったりと、様々な
側面から太陽光発電の現状について勉強することが出来ました。
現在は、様々な課題も明らかになっている太陽光発電ですが、
それでもクリーンで大きなエネルギー源であることに相違ありません。
課題を克服し、実用的で重要なエネルギー源の一つになることを
願っています。
この国会はエネルギーに関する大きな法案が審議予定ですので、
今回得た知識も活かしながら委員会運営にあたりたいと思います。
最後にこの場をお借りして、今回の視察にご協力
いただきました全ての皆さまに心より御礼申し上げます。