災害対策特別委員会(熊本県)

  • 千寿園で黙祷
  • 施設長から発災当時の状況説明
  • 天井まで浸水した小学校内
  • 西瀬橋(仮橋)
  • 意見交換
  • 木造仮設住宅(県産材と瓦屋根)

災害対策特別委員会は、令和2年7月豪雨で甚大な被害を受けた熊本県に委員派遣を行いました。

熊本県では7月3日から8日にかけ、線状降水帯による記録的豪雨によって球磨川での大氾濫をはじめ、各地で浸水や土砂災害による人的被害に加え、住宅、道路、河川等の土木施設、鉄道施設、農地や農林業用施設などに甚大な被害が生じました。

現地では、球磨村で球磨村渡村立小学校と特別養護老人ホーム千寿園の被災状況を視察、その後、人吉市では球磨村にかかる西瀬橋の仮橋を視察しました。その後は、熊本県、人吉市長、球磨村長との意見交換を経て、人吉温泉旅館の被災状況を視察した後、視察の翌日から入居開始となっている木ぞ仮設住宅を視察しました。

それぞれの現場において、責任者の方から説明をうかがいました。

〇球磨村立渡小学校:
バックウォーター現象により40年ぶりに改修を行ったばかりの校舎の天井まで浸水したこと。土砂だけで30~40センチとなってしまったこと、同じ場所に校舎を再建するべきか否か=子どもたちの学びの保障をどうするか、8月3日から別の場所で通学を再開してもらっているが生徒によっては1時間以上かけて通学している現状をうかがい、地方の過疎の現状と復旧・復興の在り方を併行して考える必要があると考えます。

〇特別養護老人ホーム千寿園:
水位が急激に上昇したこと。職員5名と駆け付けた地域の方10数名で階段で1人の方を2階に垂直避難していただくために4人の力が必要だったこと、どうしても17名の救助が間に合わなかったこと。取り残されてしまった17名の方のうち、3名は2階の窓からみんなで中に引き入れて結果として14名の犠牲者が出てしまったこと。普段の避難訓練は、土砂災害に備えていたが、まさかの水害であったことなど、胸に詰まされるお話をうかがいました。

〇西瀬橋(仮橋):
橋の一部が完全に崩落してしまったこと。当該橋が地域の足であったこと。福岡・久留米の工場から仮橋のための部品を手配し、それがあったからこそ9月4日に通行可能になったことなどをうかがいました。

〇熊本県、人吉市、球磨村との意見交換:

副知事:2つの点について重点的な要望
(1)今回の被災地域は従前からの過疎地域であり高齢地域。脆弱な行財政の下で対応できるのか否か。財政力に懸念。技術関係職員の不足。県としては全力で支えるが、国のバックアップが必要。
(2)災害対応体制の確保:道路河川において、国は総枠の中で対応してもらったが、想定外の災害が起こってしまった場合、どう対応するか。「別枠」での災害対応体制の確保必要性。

人吉市長:4~5メートルの激流が中心部をなぎ倒していった。今後、同じ場所に住めるのか。同じ場所で商売ができるのか。安心と将来に対する不安がある。

球磨村長:復旧は進んでいるが、完全に復旧するには急峻な地形に多くの集落が点在しており、その間が寸断されている状況。仮復旧はできても、本復旧までは時間と費用がかかる。

副知事や市長、村長からのお話を踏まえ、これまでの災害対策特別委員会でも幾度も指摘してきた防災担当職員の在り方について見解を伺いました。副知事の災害対応体制確保の話ともリンクするものですが、今回は国が総体として取り組んだからこそ迅速な対応が可能でしたが、仮に複数個所で災害が発生した場合は困難です。だからこそ、別枠での災害対応体制確保が必要で、そのためにはやはり国においても地方においても防災担当職員(技術職含む)が必要不可欠であると考えます。

それぞれの場所で厳しい現状と課題をうかがってまいりました。大変な中、参議院災害対策特別委員会の調査にあたりご協力をいただきましたすべての方に心から御礼申し上げます。

被災地の1日も早い復旧・復興、今後の防災行政の推進に向けて、引き続き努力してまいります。