吉川さおり 参議院議員(全国比例)

活動記録

総務部会

2021年3月31日

総務部会では、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案」について、総務省からヒアリングを行いました。

本改正案は、いわゆるプロバイダ責任制限法改正案で、昨年、インターネット上の誹謗中傷などによる権利侵害で尊い命が失われた悲しい事件に鑑みて、発信者情報開示について新たな裁判手続を創設するなど、制度的見直しを行うものです。

発信者情報開示に関する新たな裁判手続とは非訴手続であり、現行の手続では発信者の特定のため、2回の裁判手続を経ることが一般的に必要でしたが、今回の改正により、発信者情報の開示を1つの手続で行うことを可能とします。

また、通信記録は通信の秘密に基づき、長い間の保存は想定されていませんが、本改正によって、裁判所による開示命令までの間、必要とされる通信記録の保全に資するため、消去禁止命令が設けられることにもなります。

さらに、開示請求を行うことができる範囲の見直しとして、発信者の特定に必要となる場合には、ログイン時の情報開示が可能となるよう、開示請求を行うことができる範囲等について改正が行われる予定です。

発信者情報開示に関する取り組みとして、昨年の事件を受け、電話番号を開示対象に追加する省令改正は昨年すでに行われています。

法改正による抑止力等の効果については、法施行後の効果検証が大事だと考えます。

今回の改正では、発信者情報開示請求と消去禁止命令はあるものの、損害賠償請求を起こすとなれば、別途訴訟を起こす必要があり、それもセットで考えるべきではないかとの意見も出ましたが、損害賠償請求については法務省の課題であるため、今後の課題としたいとの説明がありました。これらの観点も含め、改めて勉強してみたいと思います。

活動記録