吉川さおり 参議院議員(全国比例)

活動記録

議院運営理事会・委員会 2016年12月01日

2016年12月1日

  • 議院運営委員会

衆議院の与党等は、11月25日の厚生労働委員会、
11月29日の衆議院本会議で、年金制度改革法案の
採決を強行しました。

年金制度改革法案は、衆議院でほとんどの
野党が反対する中で採決が強行され、不正常な
形で参議院に送付されてきました。

にも関わらず、12月2日の参議院本会議で、早々に
審議入りしたい、との与党の申し出があり、12月1日の
参議院議運理事会は夜まで協議が調いませんでした。

午前の議運理事会後、夕方まで断続的に筆頭間
協議を行いましたが、それでも折り合わず、最後は
議運委員長の職権で、20時20分から議運委員会が
セットされました。

与党が圧倒的多数の委員を持つ委員会での
採決によって、年金制度改革法案の審議入りの
議事が決まることとなってしまいました。

ここまで協議が調わなかった理由として、以下の
点が挙げられます。

○年金制度改革法案は衆議院で重要広範議案に
分類されており、30時間程度が目安であるにも
関わらず、19時間の審議しか行われておらず、
大きな制度改正が伴う以上、審議が不十分であること

○衆議院厚生労働委員会は、9回の委員会中、
7回もの委員会が委員長の職権でセットされていること

○その他(議長の問題)

よって、審議時間の側面と委員会運営の側面、
双方において、大きな問題があったからです。

そもそも今回の法改正が必要になったのは、
「100年安心」と政府がうたった平成16年改正時
の想定が甘かったため、大幅な制度改正の必要が
生じ、国会に提出されたものであり、だからこそ
充分な審議時間が必須なのです。少なくとも、会期を
ほんの少し延長して、審議できる内容ではありません。

もちろん、今回の法改正には評価できる部分も
含まれており、個人的にはしっかり審議すべきだと
いう立場です。

しかしながら、衆議院で重要広範議案(総理入りの
本会議で審議が始まり、委員会の最後にも総理が
入る大事な法案)に分類された法案の参議院の
審議は、審議に入ってから20日間の審議日程の
確保をと、議会の先人が衆議院に求めてきたという
経緯があります。

事実、私が常任委員長を務めた際、重要広範
議案の審査には、20日間程度の時間をかけて
審議して採決しています。

今から審議をしても、延長国会の12月14日まで
では、再考の府の参議院で20日以上の時間はなく、
十分な審議日程の確保にはなりません。

ましてや会期の再延長などは言語道断です。

最後は、与党の数の力で本会議に同法案の審議
入りの議事が追加されることとなってしまいましたが、
審議入りする以上は、開かれた国会の場で問題点と
課題を明らかにしていくほかありません。

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