第169通常国会/総務委員会議事録(2008年3月28日)

3. 経営効率化と現場職員のモチベーション維持

○吉川沙織君

是非、御就任以来すごく多忙な毎日を送られていらっしゃるということは
私も重々承知しておりますので、ただ、これ本当にいろんなお声が載っています。
顔を見るから、足を運んでくれるから受信料を払う、もしこれが訪問集金廃止に
なったとするならば、もう多分意見を言う場が、直接の対話の場がなくなるから
もう払うのをやめよう、そう思っているというような意見がたくさんありました。

もちろん、廃止に賛成だ、経営効率化のためには必要不可欠だという意見も
たくさんありました。でも、それと同じぐらい、やっぱりいきなり廃止という結論に
たどり着く前に何らかの工夫をすべきだったのではないかというような意見も
かいま見れます。

一つすごく印象に残ったのがあります。
もう高齢者の方でずっと家にいる方が、テレビの話題を話す人もないから
集金に来られる担当者の方に話をするのがすごく楽しみで、ほとんど毎日
NHKを御覧になっている方の意見で、パソコンを購入をしたので是非これ
意見を言いたいということで書かれている内容がありました。

そういう視聴者の声を受け止めて、こういう結論になったことは致し方ないと
思いますけれども、もっと何らかの形でごくごく普通の人の声を吸い上げて
いただきたいと思っております。

質問に移ります。
訪問集金の廃止に伴って、この業務に就いておられた1,200人の方を
業務転換ということになっています。この業務を転換するということ、
今まで収納業務一筋で来られた方を別の契約開発や未収回収の対策に
当たるということになれば、ある程度研修等が伴うということになると予想されます。

これについて、業務転換に伴う研修等に掛かる期間とコストについて、
もし御計算があるようでしたらお教えいただきたいと思います。

○参考人(福地茂雄君)

先ほども申し上げましたように、訪問集金の廃止によりまして1,200人の
委託契約収納員が異動するわけですが、これまでの訪問集金業務から
契約の取次ぎとかあるいは未収対策の業務をお願いすることになるわけですが、
訪問集金業務におきましても、契約取次ぎとかあるいは未収対策業務に
おきましても、各家庭を訪問して公共放送や受信料制度の意義を誠心誠意
御説明する、御理解とお支払をお願いするということは、これはもう基本で
ございまして、これは変わりございません。

業務に必要なスキルはそう大きくは変わらないというふうに聞いております。
ただ、業務変更となります委託契約収納員の活動には、これは十分に配慮をして、
必要があれば職員が現地で一緒に行動して指導、支援を行っていく、
そういったOJTが必要かというふうに心得ております。

こうした指導、支援というものは日常活動の一環としてこれまでも
行ってきておりますが、今後もそれに邁進していきたいというふうに考えております。

以上でございます。

○吉川沙織君

分かりました。
ただ、OJT等を伴うのであれば、正の職員の人も必要ですし、
ある程度日にちも掛かるというふうにとらえています。そうなった場合、
経営効率化の観点からこういう形を取ったのがどうなるんだろうな、
意味があるのかないのかというところも含めて、私自身の私見ですけれども、
いろんなメリット、デメリットというものがあるのではないかというふうに思っています。

NHKさん、平成24年度には年間30万件の支払者数の増加、170億円の
受信料収入の増を図ることが可能というふうにされているが、根拠がいまいち不明です。
この根拠についてもし分かれば、簡潔に御答弁をいただければと思います。

○参考人(大西典良君)

先ほどの御質問の件も少し補足をさせていただけたらというふうに
思いますけれども、訪問集金の廃止については、地方局においては、
契約を取り次ぐこと、それから集金を取り次ぐことは同じ人がやって
いらっしゃいまして、その集金をする業務を、パワーシフトを契約の方に
し替えるということでございます。

大都市圏のところについては分業にしておりますので、
職員が一緒になって帯同していきたいと。

具体的にそのことを進めまして、より、未収者であるとかあるいは契約者で
あるとかというところにパワーをシフトして図っていきたいというふうに考えております。
以上です。

○吉川沙織君

いろんな御努力をされているということ、
対策をされているということを非常に理解をいたしました。

最後に、これを申し上げておきたいと思います。

先ほども引用させていただきました18年6月19日の
報告書の中にこのような記述がありました。

「柔軟で公平感のある受信料体系と徴収システムを構築することは、
公共放送NHKの存立に欠かせないが、それを財政的意味のみで
考えるべきではない。」、

ちょっと中略をして、

「受信料徴収の場が、多くの人たちのあいだでじわじわと衰えている
公共意識や社会性の意義を互いに再認識し、活性化させる機会と
なるような工夫を凝らすことを怠ってはならない。」

という文言がございました。

本当の視聴者、ごく一般的な視聴者との接点の役割を担っていたと
思いますので、今後もそのことをどこか頭の片隅に置いて経営に
当たっていただければと思っております。

ここまで、できる限り視聴者との接点という観点に
立って質問をさせていただきました。

私自身思いますのは、視聴者の方を大事にするということは現場で
働く人を大事にするということであるという思いから、3か年計画で掲げた
要員削減について御見解を伺いたいと思います。

この平成20年度で経営に示された人員削減1,200名達成されることになります。

昨年5月に約束評価委員会から出された18年の評価では、
職員のモチベーションの低下が懸念をされる、次期経営計画の考え方に
よれば、放送の質の向上や多様なジャンルの番組を制作するためには、
高い専門性を持った一定規模の人材が必要、今後は20年度の職員規模を
基本にするという旨の記述がございました。

私自身、NTTに勤めておりましたとき、大規模な経営効率化を
しなければならないような過渡期に現場で働いておりましたので、
経営効率化は重要ですけれども、それに伴って職員のモチベーションが
下がるようなことがあってはならないと思っています。

現場で働く職員の方が番組制作に打ち込める環境構築が
必要不可欠であると考えますが、削減計画が到達となることを踏まえ、
今後の考え方を簡潔にお答えいただければと思います。

○参考人(福地茂雄君)

この3か年計画に基づく1,200名の削減はこの20年度内に終息するわけで
ございますけれども、約半分の減員は仕事を持って関連会社の方に行くと
いうことになります。

したがって、番組の制作、例えば今NHKの教育テレビで出しております
番組というのはほとんどNHKエデュケーショナルが担当しておりますが、
そういうふうなことで、より専門性を高めた関連分野で仕事をする。

NHKの中でむしろあれもこれもやるよりは、ある専門性を高めた分野で
仕事をさせる方がより高度な番組ができるということもございますので、
そういう全体を見直しながらの人員の削減であると同時に、ある面では
人員の異動だというふうにも心得ております。

そういったことで、もちろん大事なのは、先ほども御指摘がございましたけれども、
そういった異動の中で職員のモチベーションをどうやって高めていくか、
落とさないかということは配慮しなければいけない問題だというふうに心得ております。

以上です。

○吉川沙織君

平成20年度の達成計画、目標の達成をするということ、そして、
次期経営計画の考え方に20年度の職員規模を基本にするという
記述がございますので、職員のモチベーション向上のためにも
是非前向きに検討いただければと思います。

最後に、視聴者主義、そして視聴者視点に立った公共放送の実現、
そして視聴者の皆様からの信頼の回復、そして現場で働く皆さんの
モチベーションの向上、誇りを持って上を向いて仕事ができるような環境がある、
そういうNHKにこれからもっとなっていただきたいということを、
若い世代の視聴者の1人として心から願い、私の質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。