第169通常国会/本会議議事録(2008年5月14日)

3.電波利用料収入の増加に伴う使途の拡大/一般財源による施策と電波利用料を財源とする施策の区分

○吉川沙織君

本題に入ります。

平成5年、電波利用料制度創設時以降、携帯電話の爆発的
普及に伴い、携帯端末1台当たりに課せられる仕組みと
なっている電波利用料の収入は右肩上がりを続けている状況です。

今回は衆議院で一定の歯止めが掛けられたものの、
改正の都度、その使途の拡大が行われています。

そこで、電波利用料の使途拡大の観点からお伺いいたします。

今回の改正案では、平成23年の地上放送の完全デジタル化へ
向けて送受信環境整備事業が電波利用料の使途として新たに追加され、
中継局、共聴施設整備等に対する補助を行うこととされています。

ただ、共聴施設整備に関しては、辺地、離島等の
条件不利地域のみならず、都市部ビル陰のマンション等に
おいてもその改修費用の負担が大きな問題となっています。

今回の改正による共聴施設整備の支援対象には都市部の
共聴施設も対象となる可能性があるのか否か、伺います。

対象とされていない場合、都市部の共聴施設のデジタル化
問題について、総務省としてどのような対策を考えているのか、
併せてお伺いいたします。

地上放送のデジタル化と同様、電波の一層の有効利用を
図ることを目的とし、総務省は平成13年から市町村の防災行政無線、
平成16年から都道府県の防災行政無線のデジタル化を推進することとしています。

都道府県防災無線については、昨年11月30日を期限として
デジタル化されることとなっていましたが、47都道府県すべてに
おいて移行は完了しているのでしょうか。

また、市町村防災無線についても、できるだけ早期に
デジタル化することとされていますが、整備の進捗状況を伺います。

防災行政無線のデジタル化を早期に行う必要がある一方、
なかなか整備が進まない理由として、やはり自治体の厳しい
財政状況が考えられます。

電波の一層の有効利用を図ることを目的として行われる
施策であることにかんがみれば、防災無線のデジタル化を
行う自治体へ電波利用料を財源とした補助を行うことも
今後検討していく必要があるのではないかと考えますが、
大臣の認識を伺います。

使途拡大の2点目として、無線システム普及支援事業の対象が
拡大をされています。いわゆる携帯電話の不感地域解消支援対策です。

今回の改正案では、新たな補助の対象として移動通信用
鉄塔設備等が追加されていますが、本事業が電波利用料の
使途として追加されたのは前回の改正時であり、有線伝送路に
限っての追加でした。

今回の改正案では、前回改正時に政府が否定していた
鉄塔設備等が使途拡大の対象として追加されていますが、
今回の拡充の理由について大臣の見解を伺います。

なお、今回新たに補助の対象とされる鉄塔設備等に
おいては、これまで一般財源による補助が行われてきました。

今回の改正でこの一般財源による支援事業と平成17年より
電波利用料を財源として行われてきた無線システム普及支援事業が
統合されることとなっていますが、統合後の財源が電波利用料のみと
なっていることについて理由をお伺いいたします。

また、平成17年の参議院での附帯決議では、一般財源及び
電波利用料財源を活用し、不感地域を早期に解消することが
明記されています。

デジタルデバイドの解消は最終的には国の責任で実施されるべき
課題であることを考えれば、一般財源も活用して不感地域の解消に
積極的に取り組むべきであると考えますが、大臣の見解を求めます。

平成4年の制度創設時の附帯決議において、電波利用料制度の
創設によって、電波行政経費の負担を免許者・利用者に安易に
転嫁することなく、一般財源による十分な電波行政予算の確保に
一層の努力を行うことが求められています。

そこで、施策の区分についてお伺いします。

電波行政において、国が一般財源を元に行うべきものと
電波利用料を財源として行うべきものの区分の基準について、
明確にお答えください。