第170臨時国会/衆議院厚生労働委員会 -法案提出者として答弁-(2008年12月22日)

内定取り消しを法案化する意義と効果、推定条項の意味

○細川委員

そこで、今、桝屋議員から最後の方でも御質問がありました、
まずは内定取り消し規制法案について御質問をいたしたいと思います。

御案内のとおり、最高裁の判例などもこの件についてはございます。
大日本印刷事件と言われるものでありまして、それには、
特段の意思表示の予定がなければ、企業からの採用内定通知が
労働契約申し込みに対する承諾であり、労働者からの誓約書提出と
相まって、労働契約が成立したとしております。

そして、一たん労働契約が成立をいたしますと、その取り消しは
解雇ということと同様でありまして、解雇権濫用法理を
規定いたしました労働契約法の16条が適用されるものと思います。

そこで提案者にお聞きをいたしますが、こうした判例法理を法律に
格上げするということ、こういうことについてどういう意義と効果が
期待されるのか、このことについてお答えをいただきたいと思います。

そして、第13条の2で、「使用者が、労働者になろうとする者に対して、
就労に先立ち、採用する旨の通知を発したときは、その時において
労働契約が成立したものと推定する。」こういうふうに「推定する。」と
いうふうにありますけれども、この推定としたことの意味を尋ねたいと思います。
先ほどは、なかなか時間がなくて答えられなかった点もあるかと
思いますけれども、ゆっくり存分に御説明をお願いいたします。

○吉川参議院議員

細川委員にお答え申し上げます。
御配慮をいただきまして、ありがとうございます。
今、細川委員の方から、そして皆様も御存じのとおり、
最高裁の判例というものがございます。

その最高裁の判例に従いまして、また先日の参議院の
質疑の中でも、労働契約法の16条の解雇の中に今回の
内定取り消しも含まれるということで、今回は規制ができるという
政府側の答弁もございましたけれども、もし、その解雇の条項が
広く世間に、そして学生生徒、その親御さんに知られているのであれば、
安易とも言える内定取り消しは今ほど横行していないはずです。

また、10年前と今起こっている内定取り消しの性格というものが
若干違うように見受けられます。先ほどはちょっと時間がなくて
十分な答弁ができませんでしたけれども、10年前は、経営破綻
そのものによるやむを得ない、本当にやむを得ない内定取り消しが
8割以上でした。でも今は、経営破綻そのものではなく、どちらかといえば、
経営悪化がこの経済状況によって見込まれる、そのことによって、
予防的措置として安易に学生生徒の未来を閉ざしている、
泣き寝入りをさせている、そういう状況があります。

ですから、16条とは別個に内定取り消しの項目を起こすことで、
広く社会に、今のこの時期にこの国会で何としてもこの法案を
成立させることによって、泣き寝入りをすることのないように、そして、
少しでも光ある人生が学生生徒の皆さんに開かれるようにという意味で、
今回この法案で格上げをするという意味でございます。

そして、推定というお尋ねにつきましては、先ほど松野議員の方からも
関連して御答弁がございましたけれども、この推定につきましては、
この推定の条項によって、企業側の安易な内定取り消しあるいは
労働契約の成立を否定することを制約するために置いたものであります。

なお、あくまで推定ということにしておりますので、
反証が許されるという点において、みなすことと違うという点を
申し添えたいと思います。

この法案、与党の皆さんにも理解をしていただけるものと思っております。
将来が閉ざされるようなことのない学生生徒さんを一人でもふやすために、
ぜひとも御理解をいただければと思っております。
以上でございます。