第171通常国会/総務委員会議事録(2009年3月24日)

2. 厚生労働省の政策評価の改善必要性

○吉川沙織君

では次に、各府省の自己評価の甘さ、これは総務大臣の
先般の参議院総務委員会の答弁でもありましたが、各府省の
自己評価の甘さと総務省の政策評価の意義という観点から、
少し総務省にお伺いをいたします。

政策評価法では、政策評価は第一義的に各府省が行い、
総務省は、政府全体の政策評価制度を統括する立場として
評価の客観性や総合性を確保する役割を担うこととされております。

この関係で昨年11月、総務省の政策評価・独立行政法人
評価委員会が、少子化社会対策などに関連する政策について
所管する省庁による自己評価が甘いとの趣旨の検証を行いましたが、
この経緯について説明をいただければと思います。

○政府参考人(関有一君)

平成19年度の重要対象分野であります
少子化社会対策関連施策、それから若年者雇用対策につきまして、
昨年の11月、政策評価・独立行政法人評価委員会が答申をしたわけ
でございますけれども、そこでの指摘の第一点目は、関係府省が行った
評価におきましては、全体として、政府が提供するサービスは、質量ともに
年々充実をしてきておりまして、利用者の満足度もおおむね高いということが
明らかとされたところであります。

しかしながら、一方で、潜在的なニーズの把握が十分でない、
それからサービスがそれを必要とする方々に過不足なく行き
届いているのか、またサービスが効果的、効率的に提供されて
いるのかと、こういう点につきましては明らかとなっていないと
いうことでありましたので、今後、評価を通じましてこういう点を
明らかにするとともに、ニーズに対応した施策を的確に推進していく
必要があるということが指摘をされまして、昨年の経済財政諮問会議に
おきまして総務大臣から御報告をいただいたところでございます。

○吉川沙織君

今御答弁の中で御説明もいただきましたけれども、
昨年のその答申が出る直前の一部報道では、
四府省に国民ニーズ把握していない、駄目出し連発というような
記事もございましたので、是非、自己評価、第三者機関としての
初の試みですので、これをもっと定着させて改善をしていただければと
思っております。

ここで、総務省の委員会評価から具体的な事例を一つ
取り上げて質問をさせていただければと思っております。

厚生労働省にお伺いをいたしますが、例えばこの四府省に
対しての、厚生労働省のうちの一つですが、厚生労働省による
育児休業制度の評価では、女性の育児休業取得率は平成14年度の
64%から19年度には89%に上昇、女性の継続就業率が伸びない
原因として、継続就業を希望しながら長時間労働等により体力が
もたなそうとの理由で退職する者が大半を占めているなどの認識が
示されております。

これに対して総務省の委員会は、既に継続就業の希望を実現した
女性を母数として測られる育児休業取得率では、その達成度を政策
効果として的確に把握することはできない、また、継続就業を希望
している女性数全体の把握とその充足状況を測る新たな指標の設定が
求められると指摘されています。

厚生労働省の育児休業取得率という数字では、妊娠段階で退職を
余儀なくされた人が考慮されていないという指摘は随分前からなされておりました。

また、先週の3月16日、厚生労働省自身が公表した
資料では、育児休業に係る不利益扱いや妊娠、出産等を
理由とした解雇等不利益取扱いに関する相談が最近5年間で
増加傾向にあるという数字を厚生労働省自ら発表されております。

ですから、女性が継続就業できない理由の第一を体力がもたなそうと
して評価してしまうことに対してはやはり少し疑問を抱かざるを得ないと
私自身強く思います。

今回の総務省の委員会の指摘に対して厚生労働省の
当局は今後政策評価をどのように改善をされるおつもりなのか、
御見解をお伺いいたします。

○政府参考人(北村彰君)

お答え申し上げます。
厚生労働省といたしましても、
継続就業を希望しながら退職を余儀なくされている女性の
希望を実現していくことは非常に重要な課題であるというふうに
考えているところでございます。

その評価に当たりましても、先ほどお話がありました育児休業
取得率とともに女性の継続就業率も施策の指標に設定している
ところでございます。今回、委員御指摘の答申におきましては、
継続就業を希望している女性数全体の把握とその充足状況の
把握が必要という課題が指摘されているところでございます。

この課題の指摘につきましては、実態把握をどのような方法で
行うことが可能かどうか、現在鋭意検討しているところでございます。

なお、女性の継続就業を一層支援すると、これは非常に重要な
課題でございますので、私ども昨年労働政策審議会で検討を
行ってきていただいておりまして、12月に建議をいただきました。
その中で、子育て期の労働者に対し短時間勤務制度やあるいは
所定外労働の免除の制度の創設を新たに事業主に義務付ける
といったようなことが盛り込まれております。

この建議を踏まえまして、現在厚生労働省におきまして
育児・介護休業法の改正を検討しているところでございまして、
こういった取組なども通じまして女性の継続就業率が高まるように
引き続き努力してまいりたいと考えているところでございます。

○吉川沙織君

就業継続に向けた取組は、育児・介護休業法等の改正を始め、
厚生労働省の当局で進めていただいていることについては十分
理解をいたしますが、例えば、これは通告していないので、もし御感想、
御意見があればで結構ですが、昨年の7月22日の政策評価分科会の
議事録を拝見いたしますと、それぞれの委員からこのような指摘がなされています。

平成19年度の政策の途中経過の進捗状況ですが、女性の
継続就業の増加には必ずしもつながっていない、その原因について
掘り下げた分析を行うべきであると、この政策評価分科会の委員から
幾つか指摘がなされていて、これ厚生労働省にもヒアリングを行って
おりますので、当局の方は御存じだったかと思うのですが、この進捗状況に
対して政策評価委員会から何らかの指摘がなされて、それに対して評価を
するに当たって、掘り下げた分析を行うべきということは潜在的なニーズを探る
ということにもつながるかと思うんですが、その点について考慮をなさって評価
というものをなされたのかどうかだけ、もし分かればで結構でございますので、
お答えいただければと思います。

○政府参考人(北村彰君)

お答え申し上げます。
出産前後で仕事を辞めた女性のうち約3割が継続就業を希望しながらも
両立環境が整わないということから退職を余儀なくされている状況にあるわけで
ございます。その退職した理由につきましては、これは調査結果でございますけれども、
体力がもたなさそうという理由が最も多くなっているところでございます。

これは、産前産後休業あるいは育児休業を取ることはできても、
長時間労働、あるいは配偶者への子育てのかかわりが少ないこと
などが相まって、復帰後に仕事と子育てを両立することに困難を伴い、
働き続ける見通しが立てられないということが原因の一つというふうに
考えられるわけでございます。

そういったような状況でございますけれども、先ほどの答申の
御指摘につきましては、先ほどもお話し申し上げましたけれども、
なかなかデータがそれにぴったりするものがないというところで
ございまして、現在関係方面とも相談をいたしまして、必要な
データが得られるように調整をしているところであるという状況でございます。

○吉川沙織君

今、御答弁の中で、体力がもたなそうという調査結果が52%、
大半を占めているというのがお示しされましたが、これは
平成15年の調査結果というふうに承知をしております。

平成15年といえば今からもう5年も6年も前のことになりますので、
経済状況も大不況、今もまた不況ですけど、そのちょうど回復途中に
あって、平成15年と今の状況は随分違うということが指摘できると思います。
また、平成15年のときは、専業主婦でいられる人はそのままだったかも
しれないですけど、今まで働かずにいられた女性の人でも働きに出ている
状況、ましてや、ずっと働いている人は生活の糧がどんどん少なくなっている
状況ですから、継続就業を望む率というものは物すごく高まっているんじゃないかと、
私見ですが思っております。

ですから、昨年の11月時点での駄目出しということにはなるんで
しょうけれども、この評価の時点で平成15年のデータしかなかったん
であればそれはそれで仕方ないとは分かるんですが、この平成15年の
データを引用されて体力がもたなそうというのはちょっとどうかなというのが
ありますので、是非評価委員会からの指摘を受け止めて、これから行う
平成20年度の政策評価では、是非この表れていない潜在的なニーズに
関しても酌み取っていただいて評価を行っていただければ本当にうれしく
思いますので、よろしくお願いいたします。