第171通常国会/決算委員会議事録(2009年4月6日)

3. 市町村防災行政無線の実態に即した整備率調査の必要性

○吉川沙織君

話を戻しまして、市町村の防災行政無線の整備が
進まない理由についてお伺いをしたいと思います。

全国瞬時警報システム、Jアラートの使用の前提となる
市町村の防災行政無線の平成20年3月末の整備率は
75.5%であり、平成19年3月末から0.3%しか増加をして
いない状況にあります。
総務省は、市町村防災行政無線の整備のために防災基盤
整備事業という形で財政支援措置を行っていらっしゃいますが、
市町村防災行政無線の整備が進まない理由はどこにあるとお考えか、
お伺いしたいと思います。

先週、4月1日の災害対策特別委員会で防災担当大臣に
御答弁いただきましたが、所管は総務大臣ですので、大臣に
お伺いいたします。

○国務大臣(鳩山邦夫君)

一昨日、昨日と私、安保会議のメンバーでございますので、
昨日の11時半の飛翔体の発射まではずっと禁足状態、
待機をいたしておったわけでございます。その間にいろいろな
状況がありましたけれども、まず、Jアラートは使わないということが
随分早めに発表されておったようでございます。
Jアラートについては、委員お話しのような整備状況でございます。

昨日はエムネットが使われたわけでございますが、実はエムネットというの
は全部の市区町村に行くものではありません。しかも、私、今朝実は福岡
から東京へ戻ったんですが、ですから、西日本新聞には大きく出ており
まして、たしか3市町村辺りでは、この何かパスワードを知らなかったとか、
あるいはいろいろあって、これ機能しておりません。ところが、消防庁から
都道府県を経由したファクスは、これは全市町村に行くわけでございまして、
それを使って昨日防災行政無線放送が行われました。

これは、秋田県と岩手県で22自治体で使われたというふうに
聞いております。そういう防災行政無線なのでございますが、
委員おっしゃるとおり、平成14年度末で66%、平成19年度末で
75%と、5年間で9ポイントの整備の増加でございますけれども、
非常にのろい、カタツムリのような歩みになっているのは事実で
ございます。これ、平成17年度以降、財政状況の悪化などCPSが
鈍化するなどの課題があるようでございまして、そこで地方債と
普通交付税の措置で財政支援をするということ、あるいはより
安価な整備方式を助言するなどによって強く働きかけていきたいと
思っておりますが、現在まで様々な、一番大きな原因は財政状況なので
ございましょうが、非常にこの進捗状況が良くなかったことは率直に認めて、
今後この改善に努めていきたいと、こう考えております。

○吉川沙織君

今お詳しく答弁をいただきましたが、時間の関係ございますので、
質問をしたことにお答えいただけると本当に有り難いと思います。
今、鳩山総務大臣から、いろんな背景も付け加えていただいて御答弁
をいただきました。

昨日、岩手と秋田で、これ22市町村で防災行政無線が使われた
ということは今初めて私存じ上げましたが、その前の報道によりますと、
秋田市では防災行政無線がなく、消防車が200台ぐらい出てその内容
を走り回って伝えるが、結局内閣官房長官から平常どおりの生活を
送ってくださいという発表があって、もう何もしないことに決めたというような
報道もありましたので、この22市町村の中で大きい都市部が含まれていたか
というところは調べてみる必要があるのではないかと思います。

そしてまた、今総務大臣から、防災行政無線の整備率の推移について
御説明いただきました。5年前の平成15年3月末66.8%、平成16年
3月末67.8%、平成17年3月末は70.1%、平成18年末は74.6%、
平成19年末は75.2、そして平成20年3月末は75.5%となっており、
年々確かに上昇をしているようです。

評価書には折れ線グラフでこの整備率が書いてありましたので、ちょっと
気になってその母数というものを調べてみました。この時期は、全国的に
平成の大合併が進められた時期とも重なります。整備率というものは、
整備済み団体数の市町村数に占める割合ですから、母数である市町村数が
減少すれば、相対的に整備率は上昇するのではないかと思います。

実際、市町村合併の推進により市町村数が激減した時期における
整備率というものを見ますと、平成17年3月末では前年から2.3%増、
平成18年3月末では4.5ポイント増と、高い伸びを示しています。

一方で、市町村合併が急速に進められた時期以外の言わば平常時に
おいては、整備率はほとんど残念ながら変わっていません。整備していない
市町村が整備済みの市町村に吸収合併された場合でも、数字上は整備率が
上がることになります。しかし、整備済みとされている地方団体においても、
実態としては地域全体に整備が行き渡っていると言い難いと思います。

消防防災行政は住民の、国民の命、安全、安心にかかわることであり、
現状を正しく把握した上で議論をすることがとりわけ求められる行政分野
であると思います。しかし、防災行政無線の整備状況については、見せかけに
すぎない数字だけが独り歩きし、実態を伴っていないように思われます。
これは非常に危険なことではないかと思います。
消防庁は実態を踏まえた整備状況を調査、
公表すべきであると考えますが、御見解があればお願いします。

○政府参考人(幸田雅治君)

今委員御指摘ございました市町村合併との関係ということ自身については、
そこを分析をしているわけではございません。ただ、5年間で9ポイントの整備
ということを先ほど大臣申し上げましたけれども、着実に年々上がってきている
という状況ではありますが、不十分であるということにつきましては私どもも認識
をしているところでございまして、積極的な整備の促進については更に努力して
いきたいと考えております。

○吉川沙織君

2007年12月の地方紙の報道によると、このような声が紹介されていました。
合併した自治体では整備状況の違いからスピーカーが地域に偏在するよう
になったことも影響し、特定地域だけの住民を助けることになり、未整備地域
から抗議されるとの悩みも町村などから消防庁に寄せられているという報道
がございました。

国民の命を守るという観点から消防庁は、再度お伺いいたします、実態を
踏まえた整備状況を調査すべきではないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(幸田雅治君)

今委員御指摘ございましたように、市町村数で現在把握しておりますので、
市町村の中の一部の地域だけ防災行政無線が整備されているというものも
カウントされているということは事実でございます。そういう意味で、全国的な
整備の促進と併せまして、今委員の御指摘の点について検討させていただき
たいと思います。

○吉川沙織君

是非検討を進めていただければと思います。
国民の命にかかわることですから、是非お願いします。