第171通常国会/決算委員会議事録(2009年4月6日)

5. 北朝鮮事案・PAC3の配備とJアラート使用の整合性

○吉川沙織君

さて、ここからは防災行政無線とJアラート、今回の
北朝鮮の事案の関連から質問を行いたいと思います。
最初に、これは通告をしておりませんが、見解があれば
櫻井審議官にお伺いしたいと思います。

北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射に関し、一昨日、
残念ながら誤情報が伝達をされました。自衛隊のFPS5
レーダーによる誤探知が原因とされていますが、正確な
原因が分かればお伺いしたいと思います。

○政府参考人(櫻井修一君)

4日の誤探知情報ですが、これにつきましては、政府
内部の伝達というのが円滑に行かなかったということで、
国民の皆様、それから住民の皆様、それからここに
いらっしゃる先生方含めまして御迷惑をお掛けしまして
大変申し訳ないと、まずおわびいたしたいと思います。

この誤探知の原因、御説明させていただいてよろしいでしょうか。
本来、防衛省の方から御説明するべきかもしれません
けれども、私が承知している限りで申し上げますと、元々
この誤探知の原因となったのは、飯岡にありますレーダー、
これがある航跡を拾ったということが発端でありました。

これを指揮中枢である航空総隊司令部、それから
防衛省の中央指揮所に伝達する過程におきまして、
米国の早期警戒情報、これが実際には受信されていない
にもかかわらず担当者がそれを勘違いいたしまして、その
入感があったということでありました。したがいまして、その
情報が合わさって防衛省の方に参りまして発射という事実
が誤認されたわけです。

それが私ども官邸危機管理センターの方に通知がありまして、
それで即エムネットを通じまして地方自治体あるいは報道機関等に
伝達がなされたわけであります。

その後、約4分後にそれが誤探知であることが分かりましたので
取り消し、誤探知であるという情報を同じルートで地方自治体それから
報道機関の皆様に伝達したという経緯でございます。

○吉川沙織君

勘違いと称していいのかどうかは私は分かりませんが、
この誤情報に関して、防衛省のウエブサイトには誤情報
に関する大臣の臨時会見の内容が掲載されておりますが、
首相官邸や内閣官房長官の記者会見を掲載する内閣
官房のウエブサイトには一切の記述がございません。

これは内閣官房や官邸には全く責任がないという
責任逃れのようにも見えますが、いかがですか。

○政府参考人(櫻井修一君)

これは全体として、最終的には内閣官房、官邸危機管理
センターから情報を発信するということでありますから、
その一端は我々にもあるというふうに認識しております。

○吉川沙織君

であれば、内閣官房長官の会見ですとかそういった経緯も
載せるべき、国民に情報を公開すべきではないかと思います。

そこで、先日の4月1日の災害特のときにJアラートについて
櫻井審議官は、「Jアラートにつきましては、弾道ミサイルが
発射された後に我が国の領土又は領海に落下するという
情報が得られまして、住民を直ちに避難させる必要があると
認められまして、更に落下前に住民にお知らせすることが可能
な状況下である場合には使用するものでございます」と御答弁
いただきました。

一方、自衛隊法82条の2第3項の規定に基づいて
防衛大臣から弾道ミサイル等に関する破壊措置に関する
命令が3月27日に発出され、今回はPAC3が配備されました。

弾道ミサイル等の等は宇宙からの落下物も含まれた概念と
答弁いただき、弾道ミサイルが直接我が国を標的にしていなくとも、
宇宙からの落下物という概念で今回PAC3が配備されたものと
理解をいたします。

このような理解に立つならば、Jアラートの使用についても、
弾道ミサイルが直接我が国をねらったものでないとしても、我が国
の領土又は領海に宇宙からの落下物があるという危険性がある
以上、Jアラートを使用する理由になるのではないかと思いますが、
どうですか。

○政府参考人(櫻井修一君)

先般の私の御答弁は、先生おっしゃるとおりでございます。
このJアラートを使わないというふうに判断した理由なんです
けれども、まずは今回の件でございますけれども、これにつき
ましては3月27日の官房長官からのコメントでも言わせて
いただきましたけれども、これにつきましては、政府としては、
飛翔体が我が国領域内に落下するケースは通常は起こらない
と考えているわけですから、万々が一に備えて、我が国領域
における人命又は財産に対する被害を防止するために今回、
弾道ミサイル防衛能力を持つ部隊を待機態勢を取らせたと
いうことであります。

したがいまして、これ繰り返しになるんですけれども、今回
というか、Jアラートにつきましては、弾道ミサイルがそもそも
我々の領域をねらってくるという情報、あるいは落下する
という情報があって、住民を直ちに避難させる必要があると
いうふうに認められまして、加えて、落下前に住民にお知らせ
することが可能な状況、こういった状況であることが考えられる
場合に使用するものとしております。

それで、今回につきましては、それはJアラートを伝達手段
として使用することが適当なケースに当たらないというふうに
判断したわけであります。

○吉川沙織君

今の御答弁ですと、やはり整合性が取れないのではないか
と思います。宇宙からの落下物に対してPAC3を配備して、でも、
多分、我が国の領土、領海には落ちてこないのであれば、PAC3を
配備したこと自体も意味があったのかどうかというところは非常に
疑念を持たざるを得ません。

これまで北朝鮮からは何度か、飛翔体だか宇宙ロケットだか
衛星だか分かりませんが、発射されています。前回の平成18年、
前々回の平成10年、当時の防衛庁長官は額賀議員でいらっしゃい
ました。その額賀元防衛庁長官が4月3日に民放テレビ番組でこの
ような発言をされています。人工衛星を利用して緊急情報を全国に
伝える総務省の全国瞬時警報システムの運用を見送ったことを
官僚主義的な考えでおかしいと批判されています。

前回、前々回と北朝鮮ミサイル問題の陣頭指揮を執られた
元長官の発言であることから重い発言であると思います。
これについても見解をお伺いしたかったんですが、ちょっと
ほかにいろいろお聞きしたいことがありますので次に行きます。