第171通常国会/決算委員会議事録(2009年4月20日)

4. フリーター等に対する位置づけ及び見解

○吉川沙織君

今いろいろ御答弁いただきましたけれども、若年者雇用
においても常用雇用の数が出ていたり、あとは就職率、
就職決定者というのが分かれていて、これは政策の
効果が非常に測りにくいというような状況がありますので、
大臣、せめて若年者雇用事業に係る政策を測る目標として、
正社員になった、常用雇用になったかどうかで目標の
達成率を測るということは検討に値すると思うんですが、
いかがでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君)

それはもう一定の検討に値することだと思います。

ただ、例えばフリーターの常用化プランとかいろんなのを
やっていますけれども、若い人によっては、おれはやっぱり
常用よりもこういう形の方がいいという方は一定おられるんです。

それで、その人にまで、絶対にあなたは期間の定めない
正社員になりなさいということをどこまで言えるか。ただ、
これが何%ぐらいなのか、そして、私自身はやっぱり正社員
ということが大きな政策目標だと思いますから、それ一つの
データとして取ることは意味があると思っております。

○吉川沙織君

今、大臣御答弁の中で、フリーターを好きこのんで、
好きこのんでというか、そういう働き方がいいからという
若者がいるというお話ありました。私、この点非常に疑問を
持っておりまして、なぜかといいますと、この若年者雇用対策、
フリーター、ニートという言葉がたくさん使われますが、この
政策が立ち上げられる際の前提認識そのものに看過し得ない
偏向があるのではないかと思っています。

フリーターという言葉やニートという言葉から連想されるのは、
夢追い型や引きこもりといったイメージではないでしょうか。

フリーアルバイター、これは私まだ幼かったものですから
余り耳にしたことないんですけど、フリーアルバイターという
言葉が誕生したころは、確かに自らその働き方を選んだ
若者が大勢いたと考えられますが、今は、どんなに働きたいと
願っても企業がその門戸を大幅に閉ざしているような、そういう
状況にあり、学校を卒業するときにたまたま経済状況が悪かったから
フリーターや非正規という働き方を余儀なくされた同世代が
大勢いるのが現状であると思います。

実際、フリーターという働き方をしている人の、これ厚生労働省
の調査ですが、7割以上の方が正社員になれればなりたいという、
厚生労働省の統計で出ています。

それにもかかわらず、今日の若年者雇用問題を生み出した
労働力の需要側での構造的要因にはほとんど手を付けずに、
若者たちの意識や能力のてこ入れを図って、ジョブマッチングの
仕組みを整備することで深刻化する若年者の雇用状況に
対処しようとしている傾向が強いのではないかと思います。

実際これ、厚生労働省の様々な文書からも見て取れます。
例えば、平成20年8月の事業評価書を拝見すると、問題点として、
「若年者については、十分な職業理解、自己の能力・適性の把握が
されておらず、職業意識が不十分である。」、雇用政策研究会が
2002年7月18日に発表した「雇用政策の課題と当面の展開」の中で、
主な原因は、「職業意識が希薄なことによるフリーターが増加している
現状における若年者への具体的な対応としては、職業意識の涵養が
最重要課題」としている。これは若者の側に問題があるとの認識に
立っている証左であり、現在の若年者雇用対策も、構造的問題では
なくて若者側に問題があるという観点に基づいて展開されていると
言わざるを得ない側面があると思いますが、厚生労働省、いかがですか。

○政府参考人(太田俊明君)

フリーター、ニートにつきましては、自らそのような状態を
選択した方もおるわけでございますけれども、お話ございましたように、
やむを得ずフリーターとなりあるいはニート状態に陥ってしまった方も
多くおられるわけでございまして、様々な要因でそのような状態に
陥っていると考えているところでございます。

具体的に申し上げますと、例えばフリーターにつきまして
その要因につきましては、やはり新規学卒者の採用を重視する
企業が多く、いわゆる就職氷河期に正社員として就職できなかった者が
その後正社員となる機会に恵まれないことというのが大変大きく
あるわけでございますし、また、新規学卒者で就職したとしましても、
比較的早期に離職する者の割合が依然として高い水準にあること、
さらには、企業の求める人材と若者の能力や希望する仕事の内容
との間でミスマッチが存在していること等があるわけでございます。

したがいまして、今お話ございましたように、フリーターあるいは
ニート含めましても、いずれにいたしましても、若者自身の責任だけに
帰結することはできないと考えておりまして、そういう様々な要因を
踏まえた上での対策が必要ではないかというふうに考えているところでございます。

○吉川沙織君

今若者の側にだけはないというふうにおっしゃいましたが、事実、
厚生労働省関係で出しているいろんな文書を拝見しますと、もちろん
企業の側にもあると書いていますが、ほとんど若者の職業意識の涵養が
最重要課題としているような状況にあります。

ただ、この若者の職業意識がこの間急速に劣化をしたとは
言い難いことを示すデータも存在いたします。

昨年発表された論文によりますと、厚生労働省就業構造
基本調査の1992、1997、2002年を再集計して、15歳から
35歳未満の無業者のうち、求職型、非求職型、非希望型、
それぞれに当てはまる者はどれぐらいいるかを推計した結果が
発表されています。

求職型は就業希望を表明して求職活動をしている個人、
非求職型は就業希望を表明しながら求職活動はしていない個人、
非希望型は就業希望を表明していない個人となっています。

就業意識が希薄と言われるのはこの非希望型に当てはまると
いうことになりますが、この非希望型は92年、97年、2002年、
どの時点でもほとんど変化がありません。

雇用機会を与えられなかったこと、つまり労働力の需要側での
構造的要因によるフリーター等の増加であるにもかかわらず、
政策の重点を個人還元主義的な問題解決、いわゆる若年者の
就業意識の涵養とするのにはやはり疑問を感じざるを得ませんので、
企業側の構造的な問題、社会のこの間の経済状況を加味した形での
政策展開を希望したいと思います。