第171通常国会/総務委員会議事録(2009年4月23日)

5. 救急医療情報システム活用に向けた課題

○吉川沙織君

昨年10月、東京都で脳内出血を起こした出産間近の
妊婦の方が7か所の医療機関に診療を断られ、
出産後に尊い命を落とされることとなりました。

この事例では、受入れを拒否した病院のうち3か所は
都の周産期医療情報ネットワークの情報端末に空きベッドありと
表示されていたものの、かかりつけ医が電話をすると、満床を
理由に搬送を拒否されました。

周産期医療情報ネットワークシステムは情報の更新が遅いなどの
問題を抱えており、今回の事例でも残念ながら有効に機能しませんでした。

一般救急においても、手術の可否や空きベッド情報を
リアルタイムで表示する救急医療情報システムがありますが、
同じような問題を抱えています。
まずは、現在の整備状況についてお伺いいたします。

○政府参考人(榮畑潤君)

救急医療情報システムの整備状況でございますが、
傷病者の搬送や受入れをより円滑に行うためには、
医療機関や消防機関が地域の医療機関の診療体制とか
空床状況等のやっぱり情報を絶えず共有していくことが
必要だろうと思っております。

特に大都市部など医療機関の数が多いところでは
その必要性が高いと考えております。そのための
救急医療情報システムにつきましては、現在、
43都道府県で導入されておるところでございます。

○国務大臣(鳩山邦夫君)

吉川委員、この間衆議院でもその議論があって、私は
誠に恥ずかしいことだと思うんですね。救急医療情報
システムなんという名前のものがあって、本当に機能して
おればこの問題は大半解決しておって、消防法を改正しなくても
足りたかもしれないと思うわけで、だから、救急医療情報システムと
いうのをこれからは整備するのかもしれませんが、要するに何で
使えないのかと。リアルタイムの情報が入っていないと。
ベッドが空いているかどうか分からないと、なぜ分からないんだと。

結局、そういう情報をこのシステムに伝える、入力する人が
病院にいないからなんという話を聞いておって、余りにばかばかしいと
思いまして、だから、厚労省は反省しろとこの間申し上げたんですけれども。

何か、だから、要するに形作って魂が入っていないようなことを
絶対やらないことがこれから大事なんで、この今回の協議会も
実施基準も同じだと思うんですよ。これ、形は整っても魂が入らないと、
あるいは、コーディネーターがコーディネートしようと思ったら、
逆らって全然だれも言うことを聞いてくれなかったら最悪で
ございますから、その辺に注意してこれからやっていきたいと思います。

○吉川沙織君

大臣、今まさにおっしゃっていただいたとおりで、今回の
質疑に当たっていろいろ調べておりますと、今おっしゃった
救急医療情報システムがきちんと機能していれば、今回
わざわざ改正をしなくても済んだかもしれないというところがございます。

具体的に申しますと、救急医療情報システムを活用するために
必要な事項として、消防本部の全体の71%がリアルタイムの表示
というものを挙げています。しかも、受入れ選定困難事案が数多く
発生しているのは都市部です。でも、この都市部で情報の信憑性が
低いために、つまり情報の更新がなされていないために本システムが
使えていないということは都市部が多くなっていますので、やはり
この改善は早急に講じられるべき措置として、先ほども申し上げた
20年3月の消防庁の報告書にも記載をされておりました。

そこで、厚生労働省としては、医療機関において
リアルタイムで更新を行っているのは11%という結果が出ています。
これは、医師が忙し過ぎて情報を更新できる状態にないということに
起因するものだと思います。昨年、診療報酬の改定を行い、医療クラークを
その算定対象とすることで医師の負担を軽減し、情報の更新が図られる
効果というものを期待してこういう措置をとったんだと思いますが、
その効果について端的にお教えください。

○政府参考人(榮畑潤君)

救急医療を始めとした勤務医の方々の勤務環境、大変
厳しい状況にあるところでございまして、勤務医の勤務環境の
改善というのは大変重要な課題であると考えております。

このために、今も御指摘ございましたが、医師事務作業補助者、
20年度の診療報酬改定においてそういう方の配置を行った医療
機関に対して診療報酬上評価するということを新しく始めるとともに、
20年度補正予算からでございますが、この医師事務作業補助者を
設置、養成する際に必要な経費の助成事業を一般会計としても
講じておるところでございます。
そういう点では、この医師事務作業補助者に関しまして、
診療報酬改定、一般会計の補助、それぞれを通じて設置を
進めておるところでございます。現実の医師事務作業補助者が
配置されている医療機関、診療報酬上の届出で申しますと
730施設になっておるところでございます。

また、昨年10月に中医協におきましてこの病院勤務医の
負担軽減の実態調査を行ったところでございますが、その
調査におきまして、この医師事務作業補助者と、情報システムの
入力だとか、これに限らず診断書とか診療録等の記載等の業務、
役割分担を進めることとして負担軽減上の効果があったというような、
7割程度のお医者さんが効果があったという回答があったところでございます。

○吉川沙織君

効果があったかどうか、医療クラークを診療報酬改定で
算定対象とすることで置いて、お医者さんが余りにも忙しくて
情報更新できないから、そういう措置をとったから効果があったか
どうかということをお伺いしたかったんですが、何の効果があったのか
さっぱり分かりませんでした。

4月15日、厚生労働省はこの負担軽減につながったかどうかを
検証する実態の調査の結果を発表されていて、77%が医療クラークを
置いているんですね。ですから、ある程度効果が上がったかどうか。

実際これは研修に6か月程度の時間を要するということは
お伺いしましたけれども、これは効果が出ることを期待して
これからも注視してまいりますので、是非取り組んでいただければと思います。