第174通常国会/国民生活・経済に関する調査会 議事録(2010年2月24日)

国民生活・経済に関する調査会

○吉川沙織君

白石参考人のお話の中でも、社会と個人の
中で、最も関心を持っている社会問題、雇用、
労働、10歳代と派遣社員、学生、年収の低い
層というデータ、御提示いただきました。

私自身、今から12年前の1998年に就職活動を
いたしまして、今もまたその再来と言われております
就職氷河期に就職活動をいたしました。

同世代の多くがどんなに働きたいと思っても
職に就けないまま社会に出ざるを得なかった、
そういう世代でもあります。

玄田参考人にお伺いしたいと思います。
希望を持てない、玄田参考人の著書等を
拝読いたしますと、本来であれば若い世代が
一番希望を持てる層であるのに、今、働きたくとも
働く場所がない、だから希望を持たないといけない
層なのになかなか持てないような社会になって
しまっている。

幸福と希望は密接なかかわりを持って、また希望は
実現見通しを伴って初めて強い幸福感につながるとも
御指摘なさっています。ただ、社会の在り方や本人の
役割に悲観的、消極的な意識を有している人ほど希望を
有する、そういう割合が低いとも御指摘なさっています。

今、政治の側に責任が多分たくさんあるんでしょう
けれども、若い世代、2008年の年末ぐらいに
ベネッセの教育研究所さんが日本は努力した
ら報われる社会かどうかというアンケートを
お取りになっています。

これ、小学校のときは努力すれば報われる社会だと
信じている人が多いにもかかわらず、中学校、高校、
大学と進学をするにつれ、どんどん報われない社会だ
というデータが出ています。

今この希望を持つということ、幸福度を考えるときに、
若い世代にどういうことをすれば、この閉塞感が
漂う今の状況を打破できるのか、お考えをお聞かせ
いただければと思います。

○参考人(玄田有史君)

努力が報われない社会になっているという
傾向が強くなっているという御指摘で、重要な
ことは、報われるか報われないかかかわりなく
努力をしたいと思う気持ちになるかということで
あるような気がしております。

報われない努力だったらしてもしようがないと
いうふうになるのかどうか。若い人の問題に
限らないかもしれませんけれども、やっぱり
サポートする人がとても大事なんじゃないかなと
思っております。

先ほど希望の話をしたときに、挫折経験をしたりとか、
希望が失望に変わった後にまた新しい希望につなげていく
ことが大事だと申し上げましたけれども、さっきの野球
選手が芝生職人になったという話もそうですけれども、
大体そういう新しい希望に変わるときというのはだれか
横に人がいるんですよね。

何かそういう対話とか支えがあって初めて次につなげて
いけるということを考えたときに、多少これは持論でも
ございますけど、国ですとか自治体が若者、就職難の
若者を支援していただくことはとても大事だと思うんで
すけれども、若者を支援する若者も支援してほしいと
いいますか、ニートとか非正規の人たちを国の力で
何とかするというのは実はきめ細かいことまで考えると
なかなか大変で、一緒に伴走して一緒に走って、挫折
しても次につなげていくようなサポートできる人材というのが
今、日本にまだまだ欠けているんじゃないか。

もちろん、NPO等でそういう活動をされている方が随分
増えたとは思いますけれども、今のこういう厳しい状況の
中では絶対数が不足しているとするならば、そういう
苦しい状況にある人を支えるのはもちろんのこと、そういう
苦しい状況にある人を支えようとしている人を支えようと
するような支援というのが実はとても大事なんじゃないかと
いうようなことを感じております。

そういう意味では、希望を持てるようにするためには、
さっき人間関係が大事だというふうなことをお話し
いたしましたけれども、そういう支えたり信頼されて
いるんだとか、励ましてくれたり、精神面、技術面、
いろんなことを含めて支援できる人たちというのをもっと
増やしていくということも一つ希望が持てる雇用社会には
重要なんじゃないかなというようなことを思っております。

○会長(矢野哲朗君)君

ありがとうございます。よろしいですか。

○吉川沙織君

ありがとうございました。いろいろお伺い
したいことがあったんですけれども、もう時間が
参りましたので、ありがとうございました。