第174通常国会/予算委員会議事録( 2010年3月9日 )

6. 就職協定と新卒一括採用-2/2

○吉川沙織君

そして、日本の雇用慣行として今申し上げた就職
協定と、あともう一つ、新卒一括採用がございます。

日本の雇用慣行では、まだまだ新卒一括採用が
一般的である状況と言えます。しかしながら、学校を
卒業して社会に出ようとしたときに、日本社会、経済の
状況が悪ければ、どんなに働きたいと願い、どんなに
働く意欲を持っていても、企業がその門戸を大幅に狭めて
いる若しくは採用凍結をしている、そういう状況があれば、
食べていくために職に就けないまま非正規という形で
社会に出ざるを得ない状況があります。

私自身は運よく正社員として職を得ることができました
けれども、同世代の多くが非正規という働き方で30代
半ばを迎えているような状況にあります。また、正社員
として働いたことがない人を一般的な企業はやっぱり
なかなか正社員として迎え入れられないというような
状況もあります。

もちろん、政府においては緊急雇用対策で4月就職以外の
道を選択の支援として取り組まれていることは存じ上げて
おりますが、新卒の対象を例えば卒業してから3年程度と
いうふうに広げる措置などを講じる必要もあると考えますが、
厚生労働大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(長妻昭君)

今おっしゃられた、その新卒一括採用ということで日本の
ある意味では慣行として定着をしている部分があるんです
けれども、これについては御存じのように雇用対策法という
のがございまして、その中で指針を定めて、これをもう周知を
して守っていただきたいということをお願いをしているものが
ございまして、簡単に言いますと、企業が新規卒業予定者の
採用枠に既に卒業された方が応募できるように募集条件を
設定してくださいということはかねてより指針で呼びかけている
ところでございますけれども、なかなか進んでいないのも実態で
ございますが。

いずれにしましても、一つの施策として新卒者体験雇用事業、
新卒者の方を体験的に雇用を受け入れていただくと助成を
出す事業なども含めて、この指針が周知されるように、これからも
その環境整備に努めていきたいというふうに考えております。

○吉川沙織君

今、川端大臣から御答弁いただきましたけれども、一昨年末
にはリーマン・ブラザーズが破綻をした後、内定取消しが
横行して、参議院から雇用法案、提出をさせていただきました。

内々定、内定を持ち続けることによって、急に企業の業績が
悪化したことによる内定取消し、そういう事態が横行すると、
学生としても2社以上内定を保有し続けて春前に内定辞退
なんていうことも考えられますし、最終的には企業にしっぺ返しが
来ることも想定されます。

やっぱり企業の採用活動は4年次の学生を対象とすべきであり、
学生や若者がその年齢にふさわしい時間の過ごし方を得るように
するためにも、是非議論だけでも始めていただきたいんですが、
川端大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(川端達夫君)

就職協定の問題と同時に、新卒者が就職するという、私は
いろんな議論を、前のもフォローし、また経営側と議論したときに、
採用側としては通年で採用するんだと、人材がそういうものだと
いうふうなことの論理がある一方で、実際は新卒者と卒業して
しまっているいわゆる就職浪人した部分では非常にハンディが
付いてしまうという実態が生じているという部分では、割にある
意味で企業の背に腹は代えられないという部分はそれなりに
経済環境では分かるんですが、やはり人を自分の人材として
活用するということへの基本的な理念というものをもう一度
しっかり持っていただきたいなというのが正直なところであります。

制度とかの部分ではいろんな工夫はあるんですが、実態として
そういうことというのは、やはり私は、その人材が自分の企業に
とって必要であるかどうかをしっかり判断して採用できるというのは
企業の存亡にかかわっていることでありますから、新卒だからとか
早く手を打ったからとかいうことでないことが長い目で見れば企業の
存続を問われている一番大事な部分であることは企業も実は
分かっていると思うんですね。

そういう部分で、いろんな観点からの角度で、本当に働く人が
一生懸命頑張れる環境をつくる、そしてそのために勉強することが
一番いいんだということをつくるのは極めて大事だと思って
おりますので、また頑張ってまいりたいというふうに思っております。

○吉川沙織君

平成19年当時の総理は新卒一括採用方式を見直すと
いうことを所信でも、そしてそれぞれの本会議の決議でも
なされております。

でも、その後の雇用対策法、今御答弁いただきました
けれども、その中には新卒一括採用を見直すという
直接的な文言は残念ながら盛り込まれておりませんし、
今体験雇用事業のお話ございました。

これ、いったん卒業して就職が決まらなければ体験
雇用するわけですが、もしその後、継続して就業でき
なければ既卒扱いとなって、新卒とはならないわけなんです。

ですから、やっぱり3年以上というふうに枠を広げて
いただきたいんですけど、厚生労働大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(長妻昭君)

これについて、企業のある意味では採用の一定の自由度と
いうのも確保することも重要でございますので、そのはざまの
中でどういうことができるのか、課題は様々あると思います
けれども、研究はしてみたいと思います。

そして、やはり卒業した後に職業訓練を、残念なことで
ありますが、卒業してすぐ仕事に就くということではなくて、
卒業して職業訓練、基金訓練というのも今その門戸を広げて
いるところでありますけれども、そこで訓練を受けて、そして
本当にすばらしい職能を付けていただいて、そして企業が、
本来は採用を控えようと考えていた企業がこの方を目の前に
して採用をしてみようと、即戦力として、人件費は掛かるけれども
それを上回る付加価値がある、自分の企業の立て直しにもむしろ
人を雇った方がいいんだ、利益は上がると、こういうふうに確信
できるような人材を送り出していくというのも我々の職責だと
思っておりますので、そういう職業訓練の分野も基金訓練始め
拡充をして補強をしていきたいと考えております。

○吉川沙織君

是非、大臣主導で前向きに取り組んでいただければと思います。