吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

第174通常国会/総務委員会議事録(2010年3月19日)

2010年3月19日

5. 今後の整備と消防予算の在り方

○吉川沙織君

今、デジタルの防災行政無線については90%まで
地方債の起債を認め、その元利償還金の50%は
交付税措置をされていることから、財政措置は確かに
優遇されていると思います。

しかしながら、地方公共団体の財政の健全化に関する
法律が施行され、地方債の発行及び残高の状況に
ついてナーバスになっている自治体が、いつ必要に
なるか分からない部分もある防災行政無線にあえて
地方債を起こそうというインセンティブは働かないの
ではないかと考えます。

実際問題、平成の大合併の前後でほとんど整備率が
向上していない、上がっていないということを考えれば、
それが残念ながら事実ではないかと思います。

ここで三位一体改革で廃止した補助金を復活して、
Jアラートを一気に国費で整備するのであれば、
国民保護の観点に立つのであるならば、国の事業と
してやるわけですから補助金を復活して一気に整備
すべき、若しくは十分な予算を確保すべきではないかと
考えます。

これこそが国民の命と身体を守る国の果たすべき
役割ではないかと考えますが、大臣の御見解をお伺いします。

○国務大臣(原口一博君)

大変有り難い御質問だと思います。
それが、補助金という形をどうするか。私たちは一方で
ひも付き補助金をなくして一括交付金化するということを
言っておるわけですが、委員の御指摘はそういうことでは
なくて、国民の生命、健康、生活を守る観点から消防
防災に係る中央政府の下支えの基盤をもっと厚くしなさい
ということだと思います。

そこで、私たちは、効率的な予算配分に努める一方で、
優先的にインセンティブを地方公共団体が持っていただける
ような、そういう制度を考えてまいりたいと思いますし、緊急
消防援助隊設備整備費補助金及び消防防災施設整備費
補助金を確保するとともに、消防団の充実や緊急救命体制の強化。

消防団についても、世界消防協会で議論しているようなことを
基にしっかりともう一回見直そうじゃないかと。ずっと大変大事な
お仕事を担っていただいていますが、減ってきていますので、
この消防団の減にどのように対応するか、ゼロベースでもう一回
見直すようにという指示をしているところでございます。

引き続き、予算執行監視チームなどにおける議論を
踏まえた上で、国民の生命、健康、生活を守るための
十分な予算確保に努めてまいりたいと思いますので、
御指導をよろしくお願いいたします。

○吉川沙織君

今、下支えをするためのものにはしっかりとした
措置が必要だという御答弁をいただきました。

実際、社会経済情勢の変化に伴い、いろんな災害や
いろんな有事がありますけれども、例えば火災一つ
取ってみても、残念ながらこの前も北海道でありました
介護施設の火災、雑居ビルの火災、パチンコ店火災、
原子力発電所火災、コンビナート火災、地下空間火災
など、対処の仕方、防火の方法等においてそれぞれ
求められるものが異なります。

また、消防庁の予算は、10年前に比べると、これまた
三位一体改革の影響で補助金が廃止になったことが
大きいのですが、半減をしています。そんな中で市町村の
消防費の決算はおおむね横ばいです。

消防法の関係法律というものは、今年は提出予定ありません
けれども、ほぼ毎年提出をされて、制定をされ、改正をされて
いるような状況にあります。その中で、決算額が同じ、火災の
種類が増えていたりいろんな災害の種類が増えていたりする
中で決算額が同じということは、消防の現場で働く皆さんの
1人当たりの事務量が大幅に増えているかもしれませんし、

火災を予防するためには査察をしなければなりませんが、
その権限は法律により消防職員の皆さんにしか権限が
与えられていませんが、なかなかそれも、人がもうちょっと
増えていかなければ査察をすることができません。

平成13年9月に新宿の歌舞伎町でビルの火災があった
とき、その直後は人員を臨時的に増員をされたそうです
けれども、また元に戻っているというような状況もあります。

命を守るため、命を守る予算、命を守る政治を行うためには、
是非、原口大臣、そして政治主導で消防防災の取組、国民
の皆様の命を守るための取組を主導でやっていただきたい
ということをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。