第176臨時国会/総務委員会議事録(2010年11月11日)

風水害対策の在り方(補正予算活用に対する見解)

○吉川沙織君

そしてまた、今副大臣の御答弁の中で、ハザードマップ
のお話がありました。現実的な側面から申し上げますと、
財政難でこのハザードマップの作成なんかも遅れている
という現状があるのではないかと思っています。

この沿岸にある自治体のうち、津波ハザードマップを
策定しているのは約半数にとどまっている、そういう
報道が今年なされています。この理由として財政難を
指摘をしているものが少なくないからです。

例えば、ハザードマップのようなソフト面に投資する
財力がなく後回しになっている、見積りを取り財政当局に
要求しているが今年度も予算に組み込まれなかった、
そういう現場の声も報道で紹介をされています。

今年度の補正予算では、地域活性化交付金3,500億円が
計上され、そのうち2,500億円はきめ細かな交付金、
1,000億円は住民生活に光をそそぐ交付金とされています。

新たな試みとして新設された住民生活に光をそそぐ
交付金を、今まで遅れがちだった、予算もなかなか
振り向けられなかったそういう防災分野の整備に
この交付金を活用して対策を進めることは可能でしょうか。

○大臣政務官(逢坂誠二君)

ただいま御指摘のありましたきめ細かな交付金で
ございますけれども、現在、補正予算案を御議論
いただいている最中でございますが、この交付金は、
地域の実情に応じて、きめ細かな事業に対して、ハード、
ソフトどちらにも使えるように内容を考えてまいりたいと
思っております。

御指摘の防災対策でございますけれども、地方公共
団体の方で、それが必要であるということで実施計画に
掲載していただきますと、御活用いただけるものというふう
に考えております。

○吉川沙織君

今、逢坂政務官御答弁いただきましたとおり、
これまでにも類似の交付金措置としてあるのが
今御答弁いただいたきめ細かな交付金で、これが
多分防災分野に該当するのは承知しておるところ
でございます。

しかしながら、これまで同じような交付金が措置されて
きましたけれども、これで実際に消防防災体制の充実や
改善が図られてきたかどうかという点に関しては、つまり、
交付金の使途として実際に振り向けられてきたかどうか
というのは、私、非常に疑わしいと思っております。

例えば、今回の奄美豪雨災害でも、先ほど申し上げました
とおり、最終的には水没して、一時的に機能不全には
陥りましたけれども、防災行政無線、これ最も被害を
被った住用地区では、その現場を見た職員さんの判断で、
前の旧村のときにあった設備を利用して防災行政
無線を流して救われた命があると現場で伺ってきました。

命をつなぐ情報伝達手段の一つがこの防災行政無線
でありますが、現在公表されている整備率は75.7%です。

ちなみに、これ、平成16年現在の市町村合併前の片方
にあれば、片方になくても合併をすれば一つの整備という
カウントをしていますので、それに置き直すと71.1%という
数値であるというのは答弁いただいていますが、この整備
推進に関し、昨年の質疑において元消防庁長官、現総務
事務次官の岡本さんからこんな答弁いただいています。

昨年4月23日、総務委員会で、
「今回、別途地域活性化・経済危機対策の臨時交付金
といったものを経済危機対策でお願いする予定といたして
おりますが、これの中でも、安全、安心の実現といったことで、
まさに御指摘のような情報の伝達といったことは重要事項
であるという観点から一つの柱として私ども考えておりますので、
そういう交付金も活用しながら進めてまいりたいというふうに
思っております。」。

しかしながら、まだ公表はされておりませんが、最新の
防災行政無線の整備率は76.1%であると伺っております。

昨年75.7%と公表されていますから、この間も市町村合併
が行われていることにかんがみると、昨年の数値とほとんど
変化がなく、交付金等を振り向けて整備が推進されたとは
言い難い状況ではないかと思っています。

つまり、これは私自身の思いになりますけれども、これまで
住民生活にとって真に大事な分野でありながら光が十分に
当てられてこなかった分野として、消費者行政や自殺対策も
もちろん重要なんですけれども、避難勧告等の発令基準の
策定やハザードマップの策定に活用することも十分可能では
ないかと、そういう思いで申し上げたのでございますが、
いかがでしょうか。

○国務大臣(片山善博君)

議員のおっしゃることはよく分かります。分かりますが、
私の感覚としても、もしこの補正予算が認められた場合
には、防災行政無線のようなどちらかというとハード系の
ものはきめ細かな活性化の方でやっていただくのがなじむ
んではないか。

今回新しく1,000億円のその予算をお願いしております
けれども、これはさっきおっしゃったような、今までの自治体
の中では、どちらかというと声が小さくて、本当に特に弱い人
たちに対して大事なんですけれども、光が当たらなかった
DV対策だとか自殺予防だとか児童虐待だとか、それから
地方消費者行政だとか、そういうところに是非光を当てたい
ということでありまして、そういう気持ちがあるということは
是非御理解をいただければ。

1,000億円のは、私としては、お認めいただければ、ソフト
事業、人件費でありますとか、そういうところに是非使って
いただければと思っているところであります。

○吉川沙織君

どちらの交付金でも、結論としては整備が進めばいい
んですけれども、結局、整備をしようしようと、これまでの
質問の中でも答弁いただいてまいりましたけれども、
実際の数値を見ると進んでいませんし、行政評価の
結果を見ても着実に推進しているという文言がずっと
並んでいるんですけれども、整備はなかなか進んでいない
というような状況がありますし、消防予算も、なかなか
自治体財政が厳しい折、少ない。

そんな中で、現場の職員さんや対応されている方は
頑張っているというような状況にあります。

今大臣から、防災行政無線、ハードで、今回の光をそそぐ
交付金はソフトだとおっしゃいました。もちろん、それは
それで大事なんですけれども、今具体的に申し上げたのは、
避難勧告の発令基準もソフトですし、ハザードマップもソフト
でございます。

そういったのが自治体からしっかりこの交付金の
使途として上がってくるような、例えば活用事例として、
去年も物すごい活用事例集を作っておられますけれども、
なかなかそれに振り向けられていないという状況に
かんがみれば、是非、こういう事例もあるんだよという
ことを強く国として出していただきたいと思いますし、

今回の豪雨災害でもいろんな教訓が出てまいりました
ので、それを大臣主導、政治主導で、住民の命、暮らし、
安全を守るという観点で進めていっていただきたいと
思います。

どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。