第177通常国会/予算委員会議事録(2011年3月7日)

8. 若年者と年金、社会保障教育等の必要性

○吉川沙織君

では、少し視点を変えて、若年者と年金、
社会保障の観点から質問をさせていただき
たいと思います。

学生の皆さんも20歳になれば国民年金に
加入をしなければなりません。しかし、大半の
学生は収入がなく、国民年金保険料を納める
ことが困難であるという状態にあります。

そのため、学生の所得に応じて在学中の
保険料を10年間猶予する学生納付特例
制度があります。

これは、万が一事故に遭ってしまったときに障害
基礎年金を受け取ることができなくなったりする
ことを防ぐためのものですが、この制度を学生が
利用しやすいものにしなければならない。

このため、2008年の4月から、指定を受けた
大学などが申請を代行できる制度が始まっております。

現在、この制度を活用している施設は何施設で
全体の何%に当たるのか、厚生労働大臣にお伺い
いたします。

○国務大臣(細川律夫君)

この学生納付特例事務法人に指定されております
学校法人等の法人は71法人、国公立の教育施設は
37施設であり、合計108法人でございます。

○吉川沙織君

今、108法人というお話ございましたけれども、
せっかく良い制度が始められているのですから、
厚生労働省はもう少しこの制度を活用してもらうよう、
文部科学省であるとかあと大学などに働きかける
必要があるのではないかと考えます。

今、国民年金の若年層における納付率の
低下が問題視をされています。これに対しても
改善をできる一つのきっかけとなりますので、
是非お願いしたいと思います。

今年初めの新聞社、1月9日のアンケートで、社会
保障制度のどの分野に不安を感じるかと問いがあり
ました。この問いでは年金制度が群を抜いて高い
状態にありましたが、不安の背景には理解不足も
あるのではないかとの指摘がなされています。

事実、将来どのくらい公的年金をもらえるか知らないと
お答えになっている方がほぼ半数、正確に知っていると
答えたのは10%にとどまっています。

今ほど申し上げました若年層の国民年金納付率の
低下問題についても、年金に対する正しい知識と
理解があれば、これに加入する意義が明確になり、
改善されるかもしれません。

また、社会に出て仕事に就くようになり、仮に
問題に直面をした際、労働法や労働者の権利に
関する知識と実践方法を知っていれば、働く上で
不当な扱いや解雇を回避できることにもつながります。

学習指導要領の改訂で教科書が分厚くなり、
教える時間の確保は難しいのかもしれませんが、
それでも教育段階から社会保障について体系的に
学ぶことは大変重要であると考えますが、文部科学
大臣の御見解をお伺いいたします。

○国務大臣(高木義明君)

今お話がありましたように、年金など社会保障
制度については、例えば中学校の社会科に
おいては、年金を始め社会保障制度の基本的な
内容を理解をさせる、また少子高齢社会など
現代社会の特色を踏まえながら福祉社会の
目指すべき方向について考えさせると、こういう
ことで教育現場では今指導しております。

今おっしゃられるお話は、私としては全く同感で
ありまして、お互いに助け合いの精神を養い、
そして国民や国、地方の役割、責務、これを
教える、給付と負担のことについても考えさせる、
これは将来においても大事なことではないかと
思っております。

また、労働者の権利等についても、労働法に
ついては、中学校の社会科において、労働基準
法が労働者にとって必要な条件、環境の最低
基準を定めておるようなこと、また労働組合の
自主的な組織の意義についても教えております。

いわゆる年金というのは時代間の支え合いという
ことでございますから、これからもしっかりその点に
ついては留意をして指導をしてまいりたいと思って
おります。

○吉川沙織君

今、中学校の段階等で教育をなさっているという
お話ございましたけれども、やはり教科書に記述は
あっても、それを体系的に教えてそれを生徒や学生が
理解をするだけの時間があるかどうかといえば、
まだまだ足りないのではないかと思っていますので、
是非文部科学大臣、指導をしていただいて、少しでも
年金や社会保障全般に対する知識、そして深い理解を
学生の皆さんにしていただけるようお願いしたいと思います。

さて、社会保障・税一体改革担当大臣は、今年1月
29日のテレビ番組で、若年層の年金納付率の低下に
関して、あと何十年後かには自分もちゃんと年金を
もらえるなとの確信を皆さんに持っていただかないと
年金問題は永久に解決しないと発言されておられました。

年金加入の意義を明確に若年層に伝えるためにも
このような教育が必要であると考えますが、御見解を
伺います。

○国務大臣(与謝野馨君)

年金保険料の未納は、将来無年金、低年金になる
などの不利益を受けることになることから、国民一人
一人の将来を安心したものとするためにも、若者の
未納の問題は解決をしていかなければならないと
考えております。

また、年金は、高齢者世帯の収入の7割を占める
など、高齢者の主要な収入源として国民の老後
生活を支える大切な制度であります。

年金制度を国民に信頼され持続可能な制度として
いくため、菅内閣の最も重要な課題の一つとして、
現在、年金制度を含めた社会保障と税の一体改革の
議論を進めているところでございます。

○吉川沙織君

是非前向きに取り組んでいただければと思いますが、
その1月29日のテレビ番組で与謝野大臣は、若年層の
年金未納の問題は国民年金、基礎年金の財政全体から
すれば大きな問題ではないとおっしゃっておられました
けれども、やはり若い人がずっと納めて何ぼというところも
ありますので、是非今御答弁いただいた内容でやって
いただければと思います。