災害対策特別委員会 議事録(2011年11月4日)

○吉川沙織君

民主党の吉川沙織です。
どうぞよろしくお願いいたします。

これまで、国民の生命、身体を守るための
避難勧告や避難指示の在り方及びその
伝達方法につきましては、当委員会始め
野党時代より一貫して質疑をさせていただいて
まいりました。

今般の東日本大震災、台風12号等の災害に
おいて、これらの課題や問題点がより明らかに
なったと言えると思います。これを改善していくのが
国としての責務であると考えます。

今回は、避難の在り方という観点を中心に
大臣の御見解を伺ってまいります。

平成22年8月26日の中央防災会議第1回、
災害時の避難に関する専門調査会資料、
「最近の避難に関する主な調査」において、
内閣府と総務省消防庁の資料が提示されています。

うち平成22年3月19日の内閣府防災担当、
「避難勧告・避難指示を発令した市町村に
対する調査結果」によれば、風水害における
警戒すべき区域や箇所が特定されていない
理由については、設定の考え方、方法が分から
ないというのが30.3%、また土砂災害においては、
財政的な余裕がないが34.6%、設定の考え方、
方法が分からないが30.8%と上位を占めています。

国民の生命、身体を守るため、財政的措置を含め、
国が専門的見地に立って指導、助言を行うことは
一考に値すると考えますが、大臣の見解を伺います。

○国務大臣(平野達男君

今般の台風第12号災害のような被害を繰り返さない
ためにも、災害が起こる前にあらかじめ治山治水
事業等を計画的に進めると、それからあと、今委員から
御指摘がございましたけれども、避難体制の整備、
強化を図るということが大事だというふうに思っています。

そのため、従来から地方公共団体に関しましては、
梅雨期及び台風期における防災態勢の強化に
関する通知、それから消防庁などと連携した都道府県
防災主管課長会議などにおいて、具体的に取り組むべき
施策のメニュー等々について省庁横断的に示している
ところでございますけれども、まだまだそれは不十分と
いうか分かりづらいという御指摘もいただいております。

今後、地方公共団体のより一層の理解を得るため、
関係省庁と連携し、補助の内容など支援策を含めた
よりきめ細かな周知徹底ということを図ってまいると
同時に、今回の東日本大震災、台風12号あるいは
15号、新潟・福島豪雨、この教訓が何であったのか
といったことについてもしっかりと情報発信をして
いきたいというふうに考えております。

○吉川沙織君

情報発信のみならず、やっぱり指導、助言を
積極的に是非大臣がイニシアチブを取って
やっていただきたいと思います。

教訓を生かしたという御答弁ございましたけれども、
実際、台風12号及び15号に伴う豪雨災害に際し、
住民の方々の避難がうまくいかなかった事例が
発生したことを踏まえまして、10月4日、総務省
消防庁より、避難勧告等の発令基準に係る
点検等についてという通知が出されています。

この通知の中では、市町村が指定している避難
場所や避難所について、土砂災害警戒区域など
災害発生のおそれのある区域に入っているものが
ないかどうかの点検を早急に行うことと指摘されています。

このような見直しはもちろん必要なんですけれども、
そもそも、都道府県が基礎調査を行って土砂災害
警戒区域の指定が必要であると判断した地点のうち、
指定されていない地点が2割近くあるという報道が
9月29日になされました。全ての地点を指定している
県がある一方で、8割以上未指定の県があるという
報道もなされています。

消防庁から見直しをするという通知が出されて、その
要請はもっともですが、その前提となる土砂災害警戒
区域の適切な指定がなされていなければこれは意味を
成しません。

国としてこれを把握していると思いますが、把握して
いるか否かと、原因をどう分析しているのか、簡潔に
お願いします。

○政府参考人(関克己君

土砂災害警戒区域について御質問ございました。

これにつきましては、まず基礎調査を実施し、その
上で指定がされていない箇所については、平成23年
8月31日時点で、土砂災害警戒区域で7万322か所、
土砂災害特別警戒区域で7万7,922か所となってございます。

この指定がなされない理由といたしましては、都道府県が
指定するに当たり、一定の地区単位で指定を行うように
ということで市町村からの要望があり、あるいは地域の
住民がこの指定への反対がある等々の課題があると
いうふうに認識しております。

しかし、いずれにいたしましても、この区域指定を
進めるということは重要でございまして、進捗状況に
ついて広く周知するとともに、先行事例の紹介、
あるいは住民の皆様の理解を得る、こういった
取組を支援し、区域の指定が促進されるよう努力
してまいりたいというふうに考えております。

○吉川沙織君

大臣は、今臨時国会に当たり所信的発言の中で、
「避難勧告、避難指示の発令時期及び伝達方法、
土砂災害警戒区域設定の在り方などの課題が
明らかになってきております。」
と発言されています。

台風12号においても、本来警戒区域に指定される
箇所において指定がなされておらず、大きな被害が
出ている現実に鑑み、未指定区域の解消に向けて
どんな考えをお持ちでしょうか。

○国務大臣(平野達男君

そういう土砂災害指定区域ということに指定
すべきだというエリアにつきましては、まず住民との
コミュニケーションをしっかり図りまして、その必要性を
訴えて理解を得るということが大事だというふうに
思っています。

それから、台風12号に関しましては、もう一つ我々の
念頭に置いておかなくちゃならないのは、警戒区域と
指定すべきでなかったところにおいて土砂災害が出て
いるということもございまして、その警戒区域の指定の
在り方ということについても考えていかなくちゃならない
というのが台風12号のもう一つの教訓であるというふうに
思っておりまして、この観点からもしっかり詰めていきたい
というふうに思っております。