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国会質疑録
事務所だより

2008年5月15日国会質疑録

総務委員会議事録‐3/4

○吉川沙織君

消防の広域化と併せて、消防救急無線の広域化、
共同化の課題もありますが、消防救急無線は
平成28年5月末日までにデジタル化されることとなっています。

ここからは、救急無線も含めて防災無線整備の
在り方について見解を伺っていきたいと思います。

消防救急無線のデジタル化についてはいろんな問題が
言われています。もちろんメリットもあるんですけれども、
デメリット、費用が掛かるとかいろんなことがあります。

具体的に言えば、一つ目、アナログと
比べて到達距離が短いことによる基地局の増設問題、

二つ目、デジタル無線は直進性には優れているが、山や
ビルなどの障害物を越えて電波が到達するのが困難であること、

三つ目、完全デジタル化がすべての消防関係の
ところで完了するまで現行のアナログと併用して
持っていなければならないという各種課題が山積しています。

何より自治体財政に与える影響は大きなものですが、
これに対する御見解をお伺いいたします。

○政府参考人(荒木慶司君)

消防救急無線のデジタル化につきましては、
御指摘のとおり、かなりの経費の負担がございますので、
私ども、交付税措置の付きました地方債によります
財源措置等を行いまして、地方団体が円滑に対応できるように
してまいりたいと考えております。

○吉川沙織君 

財政措置を講じていただくことはもうもちろん言うまでもなく
ですが、先月、消防救急無線のデジタル化、周波数の
変更に関して周波数割当て計画の一部を変更する告示案に
対してパブリックコメントを平成20年2月4日から3月5日にかけて
総務省消防庁として取られていますが、これを拝見いたしました
ところ、若干いろんな矛盾が存在するのではないかという感想を抱きました。

パブリックコメントの期間が短くて余り知られていないこと
ですから件数自体は少なかったんですが、いろんな意見がありました。


総務省は、自治体にすごい負担があるから反対するという
意見に対して、総務省の考え方として、消防救急無線の
デジタル化に関する費用については、既存設備の更新のために
必要な費用であり、全く新たに発生するものではないという見解を
お示しになっています。

ただ、先ほども申し上げましたとおり、全国の消防機関において
デジタル化が完了するまではアナログと併用しなければならないこと、

そしてアナログとデジタルでは相互に互換性がないため
無線機器の全面更新に多大な費用を要することなどいろんな
問題があって、この新たに発生するものではないということに
ついては矛盾があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(荒木慶司君)

消防救急無線につきましては、現在、アナログのものが
使われているわけでございますが、これにつきましては、
国全体の仕組みとしまして平成28年までにデジタル方式に
移行するということでございますので、当然、本来の更新の
時期より早めてという団体もあるかと思いますが、

いずれにしましても、そういった状況の中で新しいシステムに
移行していただくということにつきまして、私ども各団体、
実際の消防行政に支障が出ないように、地域住民の方々に
的確な情報提供等ができるように、これに合わせて間に合うように
整備をいただきたいと。

先ほども申しましたが、そのための地方財政
支援措置も講じてお願いしているところでございます。

○吉川沙織君 

是非しっかりやっていただきたいんですが、これ
デジタル化するに当たって消防救急無線の機器の仕様を
決めていかなければなりません。

とある県の広域推進計画を見ておりますと、消防庁から
まだ詳細な仕様が提示されていないから検討ができないと
いうようなことも書いてありました。

この仕様についてはもう決定されているんでしょうか。

○政府参考人(荒木慶司君)

機器の仕様につきましては、平成19年度に消防庁に
おきまして、全国消防長会、消防本部、メーカー等の関係の
方々の御協力を得ながら、共通仕様書の検討会を開催しまして
共通の仕様書をまとめたところでございます。

現在この詳細の確認を行っておりまして、今月中には
都道府県消防本部等へ情報提供をさせていただきたいと
考えているところでございます。今月中には行いたいと思っております。

○吉川沙織君 

是非、周知徹底と、それからやはり財政負担が大きくなることは
言うまでもない事実ですので、国の責任でやるべきところはしっかり
財政措置を講じていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。

次に、今までは消防救急無線でしたけれども、これから都道府県
防災行政無線のデジタル化についてお伺いを一点させていただきます。

今まで話題としていた消防救急無線は平成28年5月末日までに
完全デジタル化、そして地上放送に関しては平成23年7月24日までに
完全デジタル化と明確に期限が決められております。

都道府県防災行政無線に関しては、一般的に余りなじみの
ないものですが、昨年11月30日がアナログの使用期限でした。

昨日、電波法改正の本会議質問で、都道府県防災行政無線の
完全デジタル化がすべての都道府県において完了したのか否かを
総務大臣にお伺いしたところ、ほぼ完了という表現で
かわされてしまいましたが、具体的な移行状況を改めてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(増田寛也君)

昨日も申し上げたこととの関連で申し上げますと、昨年の
11月30日までに期限が来ているというのは周波数帯では
60メガヘルツですね、60メガヘルツ帯のアナログ方式を採用している
防災行政無線があるわけでございますが、これ60メガヘルツ帯は、
今後、市町村で地域住民にいろいろ避難等を呼びかける防災行政
無線があるわけですが、こちらの方に使うことにしておりますので、
11月30日という期限を設けて、そこの周波数帯を空けていただこうと
いうことで期限を区切っております。
 
これにつきましては、まだ、昨日申し上げましたとおりほぼということで、
残っているところがあるんですが、これは3道県ございまして、
1つは北海道、それからもう1つは福島県、それからもう1つは静岡県と、
この3道県が残っているところでございます。

これにつきましては、実はそこからいろいろと総務省の方で
移行の予定時期をお聞きをしているところでございまして、
これは財政状況等も関係があるわけでございますが、今、
北海道からは平成23年の11月末、これが一番遅い期限でございます。

それから、次に福島県からは平成23年3月末、それから
静岡県は平成22年11月末までにはここの周波数の移行を
完了させると、こういうお話を伺っております。

私どもではできるだけ早く移行していただきたいということを
言っているわけですが、先ほど先生の方からも少し御関連で
話がありました、ちょうど更新時期が、この機器の更新時期が
この時期だということがあって、いろいろ御苦心いただいて
前倒しをしていただいているというふうには聞いておりますが、
それとの関係でこの時期まで今のものを使わせていただきたいと、
こういうことのようでございます。

また、今後、いろいろ3道県ともお話合いをよく
させていただきたいというふうに考えておるところでございます。

○吉川沙織君 

平成19年11月末日が期限でしたので、やっぱり22年、
23年というのは若干ちょっと遅いのかなという気がします。

また、懸念といたしまして、都道府県防災行政無線、19年11月末でも、
結局、最終的に完了するのは23年という御答弁を大臣から
いただきましたけれども、ほかにも期限を決めているデジタル化と
いうのは、先ほど申し上げましたとおり、地デジ、消防救急無線に
関しても期限が決められています。

更新の時期がちょっとずれるからということでこれが完了しないと
いうことになれば、何のために期限を区切っているのか分からなく
なってしまう可能性もありますので、大臣の責任でしっかりやって
いただきたいと思っております。

続きの議事録(4/4)は、こちらです。

議事録一覧

30分の質疑内容について、参議院webページから引用しています。
項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。

  • 議事録1/4
    危険物事故の防止対策、危険物施設耐震化の必要性、
    都道府県の即応体制の強化(非常時の連絡体制・緊急参集の体制確立)
  • 議事録2/4
    消防防災体制の充実、消防広域化推進計画の策定状況
  • 議事録3/4
    消防救急無線のデジタル化に伴う課題、自治体に対する財政措置
    都道府県防災行政無線のデジタル化
  • 議事録4/4
    市町村防災行政無線の整備状況とデジタル化