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国会質疑録
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2009年4月1日国会質疑録

災害対策特別委員会議事録-2/5

○吉川沙織君

では、続きまして、この緊急地震速報などの情報に関して、
消防庁は一昨年の2月から運用されている全国瞬時警報システム、
Jアラートで市町村の防災行政無線から流すとされています。現在、
この全国瞬時警報システム、Jアラートを活用して緊急情報等を
流すことができる市区町村数について消防庁にお伺いいたします。

○政府参考人(幸田雅治君)

お答えいたします。
Jアラートにつきましては、平成21年3月30日現在で市区町村で
223団体がシステムを導入しております。そのうち138団体において、
同報無線等を自動起動いたしまして住民に直接音声で情報を伝達
することが可能となっております。

昨年4月の時点でシステム導入団体が57団体であったのと比較を
いたしますと増加しておりますけれども、今後一層積極的に地方
公共団体に対して導入を働きかけていきたいと考えております。

○吉川沙織君

全国瞬時警報システム、Jアラートについては、これまで私、
この当委員会と総務委員会においてそれぞれ質問をさせて
いただいたことがございます。

その際の消防庁長官の答弁においても、そして消防庁さんの
方針においても、平成20年度中、つまり昨日までに400の
地方公共団体で整備を終えることとされていました。都道府県を
合わせても全く届かない、この現状について御認識をお伺いいたします。

○政府参考人(幸田雅治君)

今委員御指摘ございましたように、先ほども申し上げましたが、
現在223団体ということで全国の11.7%ということでございます
ので、導入は非常にまだ低いという認識をいたしておりまして、
一層積極的な働きかけをしなければならないというふうに 考えております。

○吉川沙織君

積極的な働きかけも結構なんですが、それが実際に整備を
されないと何かがあったときに対応ができないということに
なりますので、是非強く指導をしていただきたい。
更に言えば、再来年度末までにこれを650市区町村で
整備予定とされていますが、このような、今のような状況で
整備ができるのか、疑問を抱かざるを得ません。また、達成
できたとしても、それでもまだ全体の35%程度にすぎないと
いうような状況があります。
また、この全国瞬時警報システム、Jアラートに関しては、その
名前が示すとおり、対処に時間的余裕のない事態に関する緊急
情報を人工衛星を用いて送信し、市区町村の防災行政無線を
自動起動することにより住民に緊急情報を瞬時に伝達するもの
であります。

先ほどの御答弁の中で、Jアラートの運用状況について3月30日
現在で223の市区町村で受信ができるとのことでしたが、1、2秒を
争う緊急事態であるがゆえに、防災行政無線を自動起動できなければ、
瞬時にこれは情報を住民の皆さんに伝達することは困難になります。

防災行政無線を自動起動して地域の住民の皆様に瞬時に伝達する
ことができる市区町村になると一気に、223とおっしゃいましたが、この
瞬時に情報を伝達するシステムを備えているところになると138と数が
下がります。そのことを考えれば、全国瞬時警報システム、Jアラートが
意味を成すためには市町村の防災行政無線の整備が必要不可欠になる
と言えます。
そこで、市町村の防災行政無線の整備状況についてお伺いいたします。

○政府参考人(幸田雅治君)

市町村の防災行政無線につきましては、住民の方に情報を一斉に伝達する
ということが可能になるということでございまして、大変災害時等における
防災情報の伝達に有効なものだと考えております。平成20年末現在の整備率
といたしまして、市町村ベースで全国で75.5%という整備状況になっております。

○吉川沙織君

今御答弁の中で、平成20年3月で75.5%といただきました。
一年前の平成19年3月末は75.2%です。0.3%しか一年間
掛けて整備率が上がっていませんが、このことについて総務省と
してどのように対処するおつもりか、お伺いいたします。

○政府参考人(幸田雅治君)

防災行政無線の整備の促進のために防災基盤整備事業という形で
財政支援措置を講じておりまして、こういった制度を活用して整備を
促進していただきたいと考えております。

また、防災行政無線に代わる少し額の安くできるMCAのそういった方法
によりまして住民に伝達するという方法につきましても、防災基盤整備事業
によって支援措置を講じるということで、19年の夏にそういった方針も示して
整備の促進を図ることといたしているところでございます。

○吉川沙織君

今、防災行政無線に代わる額の安いMCA、そしてまたケーブル
テレビ等の伝達ということも多分想定されておられるんでしょうが、
これは、ケーブルテレビを引いていない人、それから電源が切れた
場合にどうやって住民の皆さんに情報を伝達するのかといったところで
問題があると思います。
更に言えば、今防災基盤整備事業の活用について御答弁
いただきましたが、これは私の昨年の質疑の際も防災基盤
整備事業の活用について触れられましたし、これまでの国会での
審議でも何度も何度も、この整備が全然進まないことについて
衆議院でも参議院でも各議員から質問があった際に、この
防災基盤整備事業の活用で何とか整備をしていきますという
答弁が数多く見られます。それにもかかわらず、整備が
昨年と比べて一年掛けて0.3%しか上がっていない。
このことについて何か御感想があれば、大臣、お願いできますでしょうか。

○国務大臣(佐藤勉君)

直接所管をするという立場にはございませんけれども、この防災
無線ができてかなりの時間がたっております。先生がおっしゃられる
ように、促進方を進めている中で、そろそろまた更新時期に来ている
というところもあるのではないかなというふうに思いますので、
そういうところも含めて若干、防災無線に関しましては少し検討をする、
私個人の感覚ですけれども、検討する余地があるのではないかなと
いうふうに私自身は思っております。

○吉川沙織君

今大臣からも、御感想としてですが、検討をする余地が
あるのではないかという御答弁をいただきました。
でも、この市町村の防災行政無線、今Jアラートを通じて
市町村の防災行政無線起動するのは同報系と言われる
市町村の防災行政無線であり、今アナログですけれども、
これもデジタル、期限は定められていませんが、市町村の防災
行政無線に関してもいずれはデジタルに移行していくということが、
地デジ同様、国の方針で決められております。

このことに関しても、自治体財政が厳しいから市町村の
防災行政無線も整備が進まないということが言われています、

それなのになおデジタルに移行するとなると更にお金が掛かる。
そうなってくると、果たして、アナログも整備できていないところが
25%残されている、このような状況の中で残された課題は多いのでは
ないかと思っております。

 

続きの議事録(3/5)は、こちらです。

議事録一覧

40分の質疑内容について、参議院webページからそのまま引用しています。大まかな項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。

  • 議事録1/5
    緊急地震速報精度向上に向けた課題
  • 議事録2/5
    Jアラートと市町村防災行政無線の整備状況
  • 議事録3/5
    北朝鮮事案に係るJアラート不使用の理由・矛盾点
  • 議事録4/5
    学校耐震診断実施率と補助金制度設計の必要性
  • 議事録5/5
    学校耐震診断の公表が進まない理由