吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

本会議(委員長報告)(2023年6月14日)

2023年6月14日

参議院本会議で経済産業委員長として委員長報告を行いました。

「中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案」について、経済産業委員会における審査の経過と結果について報告しました。

及び法案として2本の法改正ですが、前者の中小企業信用保険法は、中小企業者に対する金融機能の強化を図ることにより、その事業の持続的な発展を実現するため、個人保証を求めない融資を中小企業信用保険法の付保対象とする規定の整備及び危機関連保証の適用要件の見直しを行うものです。

また、商工中金法は商工中金の政府保有株式の全部処分を「公布日から2年以内のできる限り速やかに」行うとしていますが、株式を処分した後も同社が引き続き危機対応業務を的確に行うための規定の整備等を行うものです。

委員会での質疑項目として報告したのは、以下のとおりです。

〇経営者保証を求めない信用保証制度創設の意義と課題
〇経営者保証に依存しない融資慣行の確立に向けた方策
〇商工中金の政府保有株式を全部処分する理由
〇中小企業支援に向けた商工中金の今後の役割と危機対応業務の在り方
〇2法を改正する本法律案の題名の付け方

本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定したことを報告し、その後の採決で本法律案は多数をもって成立しました。

〔参考〕商工中金の民営化に関する主な流れ

◇平成17(2005)年12月24日:行政改革の重要方針(閣議決定)
⇒商工中金の民営化の移行期間は、市場の動向を踏まえつつ、概ね5~7年後とされた。

◇平成18(2006)年5月26日:行政改革推進法(平成18年法律第47号)
⇒商工中金に対する政府の出資については、市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、前項の措置の概ね5~7年後を目途として、その全部を処分するものとする。

◇平成18(2006)年6月27日:
政策金融改革の制度設計(政策金融改革推進本部・行政改革推進本部決定)
⇒完全民営化の移行プロセスとして、商工中金法を廃止し、平成20年10月に政府と既存の出資者のみが株式を保有する特殊会社とし、その5~7年を目途として、政府の保有株式を処分し完全民営化することとされた。

◇平成19(2007)年5月25日:株式会社商工組合中央金庫法(平成19年法律第74号)成立
◇平成19(2007)年10月1日:商工中金の特殊会社への移行

◇平成21(2009)年6月19日:商工中金法の改正
⇒完全民営化の時期を「平成24(2012)年4月から5~7年後」とした。

◇平成23(2011)年5月2日:商工中金法の改正
⇒東日本大震災に対応するため、商工中金の完全民営化の時期を「平成27(2015)年4月から5~7年後」とした。

◇平成27(2015)年5月20日:商工中金法及び中小企業信用保険法の改正
⇒商工中金の完全民営化の時期を「できる限り早期に」とした。

◇平成28(2016)年11月:商工中金の危機対応業務における不正の発覚
◇平成30(2018)年1月:商工中金の在り方検討会(平成29年11月設置)提言公表

◇令和5(2023)年6月14日:中小企業信用保険法及び商工中金法の改正案成立
⇒政府保有株式の全部処分を「公布日から2年以内のできる限り速やかに」行うとしている。