吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

議院運営委員会図書館運営小委員会(2022年5月20日)

2022年5月27日

※会議録は確定稿になり次第、アップいたします。

議院運営委員会図書館運営小委員会で質疑に立ちました。

今回、国立国会図書館法等の一部を改正する法律案等が議題とされ、図書館運営小委員会が開会されました。最初に国立国会図書館長から説明を受け、その後、ごく簡単な質疑を行いました。

国立国会図書館法は、昭和23年に制定された法律で、これまで11回改正が行われてきましたが、その全容は会議録が残されておらず、明らかではありません。

最初に国立国会図書館長にこれまでの改正回数を確認した後、本院の図書館運営小委員会において審査が行われ、その会議録が残っている回数について参議院事務局に確認しました。

これまで11回の改正が行われていますが、第10次改正の際、2009(平成21)年の1回分しか会議録が残されていません。よって、その1回だけ会議録が残されている理由も併せて参議院事務局に確認しました。

第10次改正の際、議運理事会で議論された結果、速記を付し、これを公表することについて合意し、会議録が発行された旨答弁がありましたが、今回も前日の議運理事会で全会派が合意し、会議録が発行されることになりました。

では、なぜ図書館運営小委員会の会議録が残されていなかったのでしょうか。

今次常会開会前の1月14日の議院運営委員会での質疑において、庶務関係小委員会の会議録が残されていないのはなぜか、との質疑に対する答弁は以下のとおりでした。

〇第1回国会において速記者が少ない等の事情があったこと
〇常任委員長懇談会において応急対策として速記を付すのは必要の限度にとどめること
〇小委員会の会議には原則として速記を付さないことの申合せがなされたこと

これが慣例となり、会議録が発行されてこなかったものと考えられるとの答弁が参議院事務局からありました。

図書館運営小委員会においてもその例にならったものと推測されますが、参議院公報にあたらない限り、図書館運営小委員会が開会されたかどうかも分からないのは、改めるべき点ではないかと思いますし、今回のように法改正を伴う質疑とあらば、後世の検証が可能となるよう今後も会議録を残す判断がなされることが望ましいと考えます。

これらを踏まえ、国立国会図書館長には以下の点について質問しました。

〇2022(令和4)年5月19日から個人向けデジタル化(絶版等)資料送信サービスが始まったが、具体的にどのような資料が利用できるのか、また今後の拡大方針。

〇今回の法改正により、有償等オンライン資料(電子書籍・電子雑誌)の収集も開始し、さまざまなサービスが始まることになるが、デジタル分野における国立国会図書館の取組内容。

私自身、約20年前、会社員として働きながら修士の学位を取得した際、国立国会図書館でなければ見ることのできない資料があり、関西から東京まで足を運びました。これらの改正や取組が進むことは、学生や研究者等にとっても有意で貴重なことと考えます。

今回、会議録を残せることとなり、急きょ質疑に立たせていただいたという側面は大きいのですが、改めて国立国会図書館法の条文にも目を通しました。こんな時代だからこそ、前文が胸に響きます。

昭和23年法律第5号 国立国会図書館法
「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。」

〔参考:過去の国立国会図書館法改正の主な内容〕

第1次改正(昭和24年)納本制度の整備
第2次改正(平成6年)支部上野図書館に関する規定整備
第3次改正(平成11年)国際子ども図書館設置
第4次改正(平成12年)パッケージ系電子出版物の納本
第5次改正(平成14年)関西館の設置、複写事務の法定委託
第6次改正(平成16年)独立行政法人等の納入制度整備
第7次改正(平成17年)館長等の待遇に関する規定削除
第8次改正(平成19年)日本全国書誌の提供方法見直し
第9次改正(平成20年)特殊法人等の納入規定の整備
第10次改正(平成21年)インターネット資料の収集制度化
第11次改正(平成24年)オンライン資料(無償・DRM無)の収集制度化
第12次改正(令和4年)オンライン資料(有償・DRM有)の収集制度化