吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

議院運営委員会(2021年7月8日)

2021年7月12日

議院運営委員会で質疑に立ちました。

実に4回目となる緊急事態宣言発出により、国会報告のための議院運営委員会が開会されたためです。

委員会前日夕刻までは、まん延防止等重点措置の延期との報道が大勢を占めていましたが、東京都の感染者急増に伴い、一転、東京都は緊急事態宣言発出となったのです。

新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言は、2回目解除と3回目目発出の間は約1か月ありましたが、3回目解除と今回の3回目発出の間はわずか3週間です。

そこで、最初に4回目となる宣言発出が政府として想定の範囲内だったのか否かについて関係を問い、3回目解除時に移行したまん延防止等重点措置が有効でなかったこと、今回の事態に至ってしまったのは何が要因であったか分析しているか否かを確認しました。

また、オリンピック・パラリンピックを控えていることが影響しているとしか思えない国会報告の内容について、その認識を問いました。

2回目と3回目の宣言発出の際には、「人流の抑制を始めとする効果的な緊急事態措置」、「不要不急の外出・移動自粛」という言葉が国会報告に入っていたのですが、今回は入っていなかったのです。

3回目の宣言解除を決めた6月17日基本的対処方針分科会議事録によれば、複数の委員から「東京では人流の増加が始まっている」、「東京が増加局面に向かっている状況で解除していいのか」など、多くの懸念が示されていました。

これらの発言があったことを考えると、3週間後に4回目の宣言発出に至ることは全く想定できなかったとは言い切れず、3回目の宣言解除の判断が適切だったのか疑義があると指摘しました。

オリンピック開会直前にこのような事態に至ったことについて、国民の代表が集う国会報告の場で、新型コロナウイルス感染症対策本部(政府対策本部)の本部長である総理が出席して説明されるが筋ですが、今回も対策本部長たる総理の出席は得られませんでした。

オリンピックが「安全・安心な大会」というのであれば、オリンピックを開催することで感染症により生じている国民の生命、生活・経済への影響を拡大させない、改善に導いていく、そのために具体的にこのような措置を講じていく、ということを、今回こそ総理が出席し、国会報告の場で説明し、納得を得る努力をすべきだったと思います。

そして、最後に、今回は国会閉会中であり、補正予算を成立させたり、法律を成立させたりすることができないことを指摘しました。

2回目の宣言発出時は1月7日で今回と同じく閉会中でしたが、11日後に国会召集が確定しており、3回目の宣言発出時の4月は通常国会開会中でした。

今回は、6月の通常国会閉会前に会期延長を申し入れましたが、政府・与党は一顧だにせず、現時点において国会が召集される見込みがありません。

今回の国会報告等で、大臣は「先手先手の対応」を強調されました。

そこで、早急に立法措置が必要な場合、閉会中では法律を成立させることができないことから、政府はどのように対応するのか、大臣の見解を問いました。

新型コロナウイルス感染拡大だけでなく、熱海の土石流災害など、様々な課題や問題が山積しています。国会が開かれていなければ、十分な議論を行い、法律を成立させることはできません。唯一の立法機関として、立法機能を放棄することがあってはならないとの思いで臨時国会の早期召集を求め、今回の質疑としました。

[質疑項目(新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言並びにまん延防止等重点措置の期間延長及び区域変更に関する件)]

1.4回目の緊急事態宣言再発出に係る経緯

・3回目の宣言解除から3週間での再宣言の想定範囲
・4回目の宣言に至った要因分析の有無
・2回目と3回目の宣言発出時の国会報告との差異についての考え方

2.政府対策本部と国会報告に本部長が出席する必要性

・緊急事態宣言の発出・解除を決める会議体と根拠法
・感染拡大期にオリンピックを開会することの意味と無観客化

3.臨時国会召集の必要性と立法府が果たす役割

・閉会中に立法措置が必要となった場合の政府の対処方針