吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

第170臨時国会/衆議院厚生労働委員会 -法案提出者として答弁-(2008年12月22日)

2008年12月22日

採用内定取り消し規制法案の適用時期

○桝屋委員

今のお答えを聞いておりまして、先ほど議論がありましたように、
労働者の立場ということからいたしますといかがかなと。
それは確かにいつでもやめられますよ。しかし、先ほどから何度も
皆さんがおっしゃっているように履歴は残るわけでありますから、
私は、そういう法制度をお考えになるというのは……。

それともう一点伺いたいんですが、仮にこうした取り組みを
行うとしても、公布3カ月で施行ですから、現下の採用内定
取り消し問題には何ら対応できないじゃないか。そこはどうするんですか。
まさか遡及して適用するなんということはできないわけでありまして、
そうしたお答えを最後にいただきたいと思います。

○吉川参議院議員

桝屋委員にお答え申し上げます。
先ほど松野議員の方からお答えをさせていただく前に、
労働契約法が一年前に成立したばかりなのに、
あれだけさんざん議論をして何で今回また出すんだという……
(桝屋委員「それは聞きましたよ、参議院の答弁で」と呼ぶ)
済みません、ありがとうございます。

ただ、今回、こういう厳しい経済状況になって内定取り消しが
相次いでいる、こういう状況をかんがみれば、新たな法案を
この時期にまた用意できたということは、私どもの方に
先見の明があったのではないかと思っております。

また、今の御指摘についてでございますが、私自身が就職活動を
行いましたのは今から10年前、超就職氷河期と言われた世代で、
その前年に1,000人以上が内定取り消しの憂き目を見ました。
将来の道が閉ざされるその姿をすぐ上の先輩に見てまいりました。

採用内定の取り消しというのは、未来ある生徒、学生の人生を
大きく狂わせてしまうものであることにほかならず、新卒という肩書が
使えるのは、学校を卒業する一度しか使えません。

このときに内定取り消しという事態になれば、選択肢は、
残されたほんのわずかな期間で就職先を探すか、わざと
留年するかぐらいしかありません。
内定取り消しという事態は、あってはならない問題です。

生徒、学生は、学生ですから社会に出る前の状態です。
労働法の知識もなければ、委員も御存じのとおり最高裁の
判例の知識もありません。
今手元に内定通知書を持っていますが、これには自己の責任に
帰すべき理由以外、例えば卒業できないとかそういった場合を
除いては、学生の皆さんは四月から社会のスタートラインに立てると
強く信じています。
社会に広く発信するためにも、法律として規定することが必要だと思っております。
以上でございます。

○桝屋委員

時間がないからもうやめますけれども、要するに、今の
現下の状況に対応できないじゃないですか、今からやるのでは。
そこはどうお考えになるんですか。

○吉川参議院議員

桝屋議員にお答え申し上げます。
現状を改善せず何もしないよりは、より適切な制度をつくって
定めることができれば、法律の改正を行い、できる限り早い段階で
施行することが重要であると考えます。

この法案を提出する意義がないということにはならないと思いますし、
何より、企業に要請するよりも法として定めてそれを社会に広く発信する
ことによって、泣き寝入りをする生徒、学生、そして不安に駆られている
親御さんをお一人でも少なくすることができる、そういうふうに強く
信じておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。