吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

第171通常国会/総務委員会議事録(2009年4月23日)

2009年4月23日

7. 消防救急無線のデジタル化に伴う課題

○吉川沙織君

そこで、ここからは、命を守る情報をいかに伝達するか
という観点から幾つかお伺いをさせていただければと思います。

まず最初に、消防救急無線のデジタル化に伴う財政措置に
ついてお伺いをします。
消防救急活動において消防救急無線は、情報収集、伝達、
指揮、連絡等に使用されるものであり、消防救急活動には
必要不可欠なものとなっています。現在アナログで運用されていますが、
平成28年5月31日までにデジタルに移行しなければならないことと
されています。

しかしながら、今運用されているアナログの機器とデジタルの機器は
互換性が全くありませんので、全面更新に多大な費用が掛かることになります。
地方財政が厳しい折、消防庁としてどのように対応されるのか。
多分防災基盤整備事業とお答えになると思いますが、端的にお願いします。

○政府参考人(岡本保君)

委員御指摘いただきましたように、28年の5月までに
消防救急無線のデジタル化を推進するということになっております。

消防庁といたしましては、このデジタル化を推進支援
いたしますために、今委員御指摘ございましたように、
これまで防災基盤整備事業でこの推進の支援措置を
講じてまいりましたが、今般の経済危機対策におきまして
国費十分の十で27億円ほどの額を確保いたしまして、
救急デジタル無線の整備を幾つかの市町村に対して国が
一緒にモデルケースとして進めまして、どのような費用の
効率化が図れるか、またどのような進め方がよりスムーズに、
より効率的であるかといったことを一緒にやってまいりたいと
いうふうに考えております。

また、この実績を踏まえまして、今申し上げました防災基盤整
備事業を含めまして、デジタル無線の整備が円滑に進むような
様々な支援も検討してまいりたいと考えております。

また、今回、別途地域活性化・経済危機対策の臨時交付金と
いったものを経済危機対策でお願いする予定といたしておりますが、
これの中でも、安全、安心の実現といったことで、まさに御指摘のような
情報の伝達といったことは重要事項であるという観点から一つの柱として
私ども考えておりますので、そういう交付金も活用しながら進めてまいりたいと
いうふうに思っております。

○吉川沙織君

時間の関係がございますので、端的にお答えいただけると本当にうれしいです。
消防救急無線のデジタル化は多大な費用が掛かるとされています。
今いろんな財政措置をおっしゃっていただきましたが、幾つかの県での
試算によると、県内をブロック化し共同で整備した場合でも98億円や
350億円という膨大な額が掛かるという、こういう試算もございます。

また、これは昨年も指摘させていただきましたが、デジタル化による
メリットがある一方で、伝達距離が短い、直進性には優れているが
障害物を越えて電波到達が困難ですとか、アナログとデジタルの
機器の併用、保持の問題とかいろいろなものがありますので、是非
そこにも注意をして、やるのであれば取組を進めていただければと思います。