吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

第174通常国会/総務委員会議事録(2010年3月19日)

2010年3月19日

1. Jアラートの整備率、防災設備整備事業交付金の使途

○吉川沙織君

民主党の吉川沙織です。
政権交代後、初めて総務委員会で質疑に立たせて
いただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、平成22年度の政府予算案は命を守る
予算であるとの観点から、総務省所管であります
消防予算とその事業について焦点を当てて質問を
させていただきたいと思います。

今回は、一つ目として全国瞬時警報システム、Jアラート
整備と運用の在り方について、二つ目として市町村防災
行政無線整備の在り方、三つ目として消防予算全体の
在り方という観点から取り上げさせていただきたいと思います。

まず、全国瞬時警報システム、Jアラートでございますが、
これは平成19年の2月から運用開始されているシステムです。

全国瞬時警報システムと、その名が示すとおり、
対処に時間的余裕のない事態に関する緊急情報を
人工衛星を用いて送信し、市区町村の防災行政
無線を自動起動することにより住民に緊急情報を
瞬時に伝達するものであります。

今回は残念ながらチリ大地震に伴う津波警報の誤報で
報じられることが多かったんですが、運用開始後から
実は災害対策特別委員会、そしてこの総務委員会、
決算委員会の質疑を通じて、その課題と問題点を
取り上げてまいりました。

特に、昨年の4月は北朝鮮の弾道ミサイル発射に伴い、
発射直前の4月1日の災害特、発射翌日の4月6日の
決算委員会において質疑の機会を得ましたので、
Jアラートを使用しない理由について前政権に
見解を求めましたが、残念ながらこれまた言い訳に
終始をしてしまいました。

結局、Jアラートもそれを流すための防災行政無線も
整備率が低く、使い物にならなかったため使用されな
かったわけでありますが、整備している自治体においては
Jアラートを含む複数の手段を使って情報伝達の訓練を
していたというような事実もございました。

昨年のような事態に使わないということが前提になるの
であれば、自治体に対して整備に対するインセンティブを
失わせてしまうことにもなることから、使うのであれば整備を
積極的に進めるべき、もし使わないのであれば整備を思い
切ってやめるべきとの立場に私は立っています。

そこで、現時点におけるJアラートの整備率について
副大臣にお伺いいたします。

○副大臣(渡辺周君)

お尋ねのJアラートの整備状況でございますけれども、
平成22年の3月1日現在で、大分県を除く46都道府県が
システムを導入しております。市区町村については334、
全国市区町村の18.9%でございます。

何よりも、この21年度補正予算では大変な多額の、
100億円を超える109億円の予算を付けまして、
とにかく整備せよということでございまして、これまでは、
21年度の当初予算ではおよそ5千万円、22年度でも
数千万円単位だったと思いますが、とにかく21年度の
補正予算で破格の百億を超える予算を付けております
ので、これは一日も早く自治体の皆さん方に付けていた
だけるようにとにかく指導してまいりたいと、そのように
考えております。

○吉川沙織君

今、副大臣から334市区町村というお答えいただいたん
ですけれども、これ受信のみと自動起動ができるものと
分けられると思うんですが、その数についてお教えいただけ
ますでしょうか。

○副大臣(渡辺周君)

失礼いたしました。
そのうち、防災行政無線等を自動起動して住民に直接
音声で情報伝達することが可能な団体は、うち282で
ございまして、全国市区町村の15.9%にとどまっております。

○吉川沙織君

334市区町村のうち、自動起動、つまり音声をすぐに
流して人の手を介さずに住民の皆様に命を守る情報
伝達をできるのが282ということになります。

2年前の質疑の際、当時の消防庁長官から、平成20年度
中に約400の団体で整備される予定という答弁をこの総務
委員会でもそれ以外の委員会でもいただいたんですが、
結局その目標が達成をされないまま今に至っているという
ことは本当に残念だと思っています。

しかしながら、今副大臣から御答弁をいただきましたように、
平成21年度第一次補正予算においてJアラート整備の
ための費用が措置されました。これに関しても、実は昨年の
質疑の際に取り上げたんですけれども、昨年12月に、防災
情報通信設備整備事業交付金の都道府県交付決定額が
通知され、今、渡辺副大臣からも御答弁いただきましたように、
来年度中に112億円掛けて整備されるということになったようで
ございますが、この内訳と使途についてお教えいただけますでしょうか。

○副大臣(渡辺周君)

防災、このJアラートの整備に関するものが
総額約103億円の交付金でして、新たに9億円が
システムの高度化、合わせて112億円の交付金の
予算になろうかと思います。

先ほど申し上げたように、全国の都道府県及び市区町村の
一斉整備にとにかく使いなさいということでございまして、
具体的には、都道府県においては情報の受信設備の
整備及び改修。市区町村においては情報の受信設備
並びに防災行政無線等への住民への情報伝達手段の、
先ほど申し上げた自動起動に要する機器の整備あるいは
改修に活用するということになっておりまして、これだけの、
総額として100億円を超える交付金でございますので、
これは委員御指摘のとおり、とにかく一日も早く整備できる
ように自治体に指導していきたいというふうに考えております。

○吉川沙織君

今、103億がシステム整備のため、9億円がシステムの
高度化のためという御答弁をいただきましたが、これは
Jアラートの全国整備とシステムの高度化のみで、その先の
自動起動の防災行政無線まで全部が含まれるということでは
ないということでよろしいでしょうか。

○副大臣(渡辺周君)

ちょっと説明が悪かったかもしれませんけれども、今の
私の答えというのは、103億円の交付金で都道府県と
市区町村の整備をすると。九億円、システムの高度化と
いうのは既存のものに対する高度化ということでございまして、
すべてにおいて使われるようなことになっております。

○吉川沙織君

また後ほど質問させていただきますけれども、Jアラートの
全国瞬時の瞬時というのを実現するためには、やはり
Jアラートの受信環境を整えなければいけないのも
もちろんですけれども、受信をしたその情報を即座に
伝えるための市区町村の防災行政無線の整備まで同時に
行う必要があるのではないかなと個人的には思っています。