吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

第186通常国会/総務委員会(2014年6月17日)

2014年6月17日
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質疑模様、浜田NHK経営委員長答弁

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籾井NHK会長答弁、質疑模様

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質疑模様、上田NHK監査委員答弁

議事録一覧

110分の質疑内容について、参議院webページからそのまま引用しています。
大まかな項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。

6月17日の総務委員会では、第186通常国会で最も
扱う法案が多かった総務委員会で最後の内閣提出法案
となった放送法及び電波法の一部改正案について、野党
筆頭理事として、110分の質疑に臨みました。

主な質疑内容

NHKインターネット活用業務拡大、放送法が定める公平の
原則、また、NHK新会長就任以降、国会でも複数回の集中
審議を行うこととなったNHK問題について、NHK会長、
NHK経営委員長、NHK監査委員に見解を質しました。

(1)NHKインターネット活用業務に対する見解 [NHK会長]

1-1.NHKインターネット活用業務と国会関与の在り方

(2)放送法が定める公平の原則 [NHK会長]

2-1.NHK法令順守状況と国会関与の在り方に関する見解
2-2.放送法が定める公平の原則に対する見解

(3)NHKの番組編集権 [NHK会長]

3-1.NHK番組編集権に係る会長就任会見発言の真意
3-2.会長が一元的に番組編集に関与しないことの確認

(4)理事の担務変更と経営委員会 [NHK会長、経営委員長]

4-1.再任された専務理事への辞任要請に対する見解
4-2.理事の担務変更と放送法
4-3.専務理事と理事の業務範囲

(5)放送法施行規則違反による理事任命の同意 [NHK会長、経営委員長、監査委員]

5-1.一部経営委員の理事任命同意保留理由
5-2.放送法施行規則第19条の例外明示
5-3.放送法施行規則違反に対する監査委員の見解
5-4.今後の人事異動方針

(6)経営委員会議事録の作成・公表基準の明確化 [NHK経営委員長]

6-1.経営委員会議事録作成ルールの基準
6-2.他の公的機関でも好評されている規定の公開に対する見解
6-3.NHK関連団体ガバナンス調査委員会の調査内容と委員会の構成

概略

(1)について

今回の放送法改正の最も大きな柱の一つが、NHKによる
インターネット活用業務の拡大です。NHKの作ったコンテンツで
あれば、全てインターネットで提供することが出来、唯一テレビ
放送の全ての番組を放送と同時に提供することが禁止されて
いるだけです。今後のインターネット業務に対する歯止めは法律
そのものではなく、NHK自らが定める実施基準と、改正放送法
第20条第9項及び第10項の各号に基づき定める認可基準と
なりますが、実際には同条第9項第4号に基づき作成される
総務省例です。法律から極めて遠いところでの判断となり、今後の
拡大については法改正することなく可能となることについて、
一連のNHK問題に照らしながら、NHK会長の見解を質しました。

(2)について

放送法は、第3条では放送番組編集の自由、第4条では国内
放送等の放送番組の編集等について規定しており、この中で、
「政治的公平」あるいは「意見が対立している問題については、
できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」について、
番組制作上、どう考えれば良いのかがよく議論になります。
4月30日のNHK理事会において、放送法が定める公平の
原則について「一つ一つの番組で、それぞれやるべきだ」という
趣旨の会長発言については、放送全体を通して判断すべきと
するこれまでの政府答弁を踏み越えるものであり、NHK会長の
見解を質しました。

(3)について

番組編集の最終責任が会長にあるからといって、制作現場が会長
の了解なしに個々の番組を編集出来ないということではないことを
NHK会長に確認しました。会長は、1月25日の会長就任会見の場
において、「現場の制作報道で会長の意見と食い違う意見が出た
場合、どう対応するのか」との質問に対して、「最終的には会長が
決めるわけですから、その了解なしに、現場で勝手に編集してそれが
問題であるということになった場合については、責任をとります。そう
いう問題については、私の了解をとってもらわないと困る。NHKの
ガバナンスの問題ですから」と答えていることから、放送法第51条を
引用し、実際の運用について確認しながら、発言の真意を問いました。

(4)について

4月22日の第1212回経営委員会では、退任理事2名が
これまでにない悲痛な退任挨拶を行っています。1月25日の
会長就任にあたり、会長が理事全員から日付のない辞表を
提出させるなどNHKにおいては混乱が続く中での退任であり、
また同日の経営委員会において事前に提示されないまま理事の
大幅な担務変更が行われたことについて、放送法第51条を
引きながら会長の見解を質しました。

(5)について

放送法施行規則第19条第2項は、「経営委員会の召集の
通知を行うときは、原則として、事前に十分な時間的余裕をもつて
それを発出するものとし、付議すべき事項その他参考となるべき
事項を明確にするものとする」としていますが、4月22日の経営
委員会では、この規則に反し、さらには一部経営委員が同意を
保留したにも関わらず、理事任命の即日同意が強行されました。
この事実に関し、会長、経営委員長、監査委員、それぞれに見解
を質すとともに、6月13日の管理職異動発令に伴い、必要に
応じて随時人事異動を行う、とする会長メッセージを発出した
ことについて、今後の人事異動方針について会長に確認しました。

(6)について

放送法第41条は、経営委員長に経営委員会の議事録作成
と公表を義務付けています。これは国民からの受信料によって
運営がなされているNHKにおける経営の透明性を確保し、情報
公開を進める観点によるものです。しかしながら、最近の議事録に
ついては、議論された内容が記載されないケースが散見され、その
場合「経営委員会の規程に則り、概要のみ記載」とされていること
から、公表を控えるのは必要最小限にすべきであり、公表基準
自体は公開すべきであることを指摘し、経営委員会の規程について
参議院総務委員会理事会への提出を経営委員長に求めました。