総務委員会(2018年5月31日)


総務委員会で質疑に立ちました。

一般質疑で、25分の質疑に臨みました。

現在、国会で審議される法案のほとんどは「内閣提出法律案」です。
憲法第41条に「唯一の立法機関」として国会が位置づけられている
ため、昭和22年の第1回国会において、内閣に法案の提出権はあるのか
否か議論が行われましたが、内閣に法律の提出権があるものとして解釈が
確立しています。

だからといって、内閣法律提出案の形がなんでも許される、と
いうわけでは決してありません。本則3本以上の法律案を束ねて
見かけ上、1本の法案として国会に提出しようとする、いわゆる
「束ね法案」については、数年前から議運理事会や質問主意書で
重ねて指摘し続けてきました。
そして、今回、新たに気づいたのが、いわゆる「包括委任規定」です。

「この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な項目は、○○省令で定める」

電気通信事業法改正案の条文の新旧対照表を見て気づいたのが、
これまであまり条文として置かれることのなかった上記の表現です。

たとえば、「この法律に定めるもののほか、届出書類などこの法律を
実施するため必要な項目は、○○省令で定める」であれば、届出書類等の
事務的なことを省令で定めることが見てとれます。

一方、前述のように、「この法律を実施するため必要な項目は、○○省令で
定める」となると、具体的な例示がひとつもないため、実際に政省令が出て
くるまで、どのような内容が規定されることになるのか全く分かりません。

電気通信事業法改正案質疑の際に、当該条文に関して問うたところ、
「あくまで法律の実施に必要な事務的な項目を定めるものであって、
国民の権利を制限したり、義務を課したりするものではない」と大臣から
答弁があり、電気通信事業法の改正後の条文で置かれる包括委任規定に
ついては、国会での審議を通じて事務的なものであると明らかにする
ことができました。

つまり、「この法律を実施するため必要な項目は、○○省令で定める」と
いう条文がひとつ置かれてしまうだけで、国会の審議でこの内容について
質疑が行われ、内容について今回のように確認を取らない場合、実際に
政省令が出てくるまで、法律を実施するために必要な項目として、
もしかしたら国民の権利を制限するようなものが含まれるのではないか、
との懸念がつきまとうことになってしまうのです。

しかも、現在開会中の第196回国会において内閣から提出された法律案は
65法案ありますが、よくよく調べてみると、同じような条文がかつてない
ほど置かれていることが分かったため、質問主意書を提出するとともに、
委員会での一般質疑の機会を活かして、内閣法制局長官に事実関係を質しました。

一回目の質問主意書に対する答弁書が、こちらが条文を明示して問うた
にも関わらず、「意味するところが明らかではない」とあまりにも不誠実
であったため、再質問主意書の提出とあわせて委員会質疑に臨んだのです。

法律の実施命令(執行命令)に関わる議論で、解説しづらい側面は
否めませんが、立法府として大事な議論だと思いますし、立法府側が
しっかりチェックしなければ、行政府の裁量が勝手に大きくなる条文が
ひっそりと改正に紛れて新たに置かれないとも限りません。

束ね法案に関しても、議運理事会や質問主意書を通じて数年前から
指摘し続けたところその割合は減少しましたし、立法府の立場から
行政に対して指摘できることは、これからもしっかり指摘していきたいと思います。

[質疑項目(一般質疑)]

1.法律の実施に必要な事項の省令への規定の在り方

・今国会における包括委任規定の件数、法案名、条文番号
・過去5年間の常会における包括委任規定の件数
・過去5年間の常会及び今国会における内閣提出法律案の件数
・総務省が所管する今国会の閣法で包括委任規定を新設した理由
・包括委任規定を置くことを内閣法制局が容認する理由
・法律による行政の原理と国会による立法行為の意義

2.包括委任規定と実施命令の関係

・実施命令と委任命令の峻別
・国民の権利、義務との関係性

議事録