吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

総務委員会 議事録(2011年5月17日)

2011年5月17日

○吉川沙織君

先ほど大臣の御答弁の中で緊急消防援助隊に
ついて触れられた部分がありましたので、最後、
このことについてお伺いしたいと思います。

今回の震災対応における緊急消防援助隊の
活躍には多くの国民の皆さんが感謝し、敬意
を表していることと思います。

5月12日時点で派遣人員数は約28,400人で
あり、全消防職員のおよそ6人に1人が被災地
に向かった計算になります。

この緊急消防援助隊の献身的な消火・救助・
救急活動により、多くの人命が救助されました。

緊急消防援助隊は、今年の4月1日現在で
4,354部隊登録されており、国の計画では
平成25年度末でおおよそ4,500部隊規模と
することを目標としています。この部隊数に
ついては近年登録が進んで目標数に随分
近づいてきていますが、装備の面ではどうかと
いうところを疑問に思いました。

長期間の活動を想定する場合、各部隊の
活動に必要な輸送や補給を行う後方支援
部隊の重要性というものが非常に高まって
まいります。後方支援用の装備等については
通常の災害で使用しないことが多いものが
あるため、整備が遅れがちな側面があります。

緊急消防援助隊設備整備費補助金は、大規模
災害において、消防庁長官の指示等に基づき
出動する体制を確保するために、国として計画的
に整備するため不可欠な義務的経費でありますが、
大体使われている使われ先というのは、救助消防
ヘリ、特殊消防ポンプ車、救助工作車が中心で、
後方支援部隊用の支援車等にはなかなか補助金が
振り向けられていないという現状があります。

今後想定される大規模震災に備える観点から、
後方支援部隊用の支援車等の設備について
もっと推進すべきではないかと考えますが、
いかがですか。

○政府参考人(久保信保君)

緊急消防援助隊関係での私ども国として支援を
するという方法には二つございまして、一つは
二分の一、予算の範囲内ということではござい
ますけれども、二分の一の結構高い補助率による
義務的な補助という制度と、もう一つは無償貸付けを
行うという制度と二つございまして、いずれにいたし
ましても、私ども、その必要な金額、補助金の金額と
いうのを確保しようというふうに努力しております。

ただ、いろんな制約もございまして、思ったとおりに
なっているというわけではございませんが、御指摘が
ございましたような形でメニューも増やしていって、
そして補助金の質、内容ともに充実させていきたいと
考えております。

○吉川沙織君

平成18年度から消防庁のウエブページでチェック
できる限り報道資料を見て、消防防災施設等整備費
補助金の交付決定、何に振り向けられているか拝見
しますと、やはり今申し上げたようなヘリだとか自動車
とかばっかりで、支援車、後方部隊用、長期間の後方
支援をするための支援車はなかなかやっぱり補助金が
振り向けられていませんので、是非、長官、平成
23年度はまだ発表されていないようですけれども、
前向きに対応していただければと思います。

この今述べた事柄を実現するためには、緊急
消防援助隊整備費補助金の充実が不可欠で
あります。野党時代から一貫して消防予算と
体制の充実を求め続けてまいりました立場から
ちょっと差し上げにくい質問ですが、この補助金に
ついては、残念ながら事業仕分において議論の
俎上とされてしまいました。

昨年11月26日の事業仕分第3弾では、平成
21年11月の事業仕分第1弾で10%削減とされた
ことが守られていない、法改正してでも補助率を
引き下げて目的を達成すべしなどといった意見が
相次ぎ、政策目的や自治体財政の現状は脇に置かれ、
10%削減すること自体が目的とされ、削減目標に達して
いないことが問題視をされてしまいました。

その事業仕分第1弾で10%削減されたのも、
私、個人的には財務省のミスリードがあったのでは
ないかと思いますが、この第1弾の評価結果について、
大臣、御見解をお願いいたします。

○国務大臣(片山善博君)

これは私、当時外におりましたので直接伺った
わけではありませんが、というか、正確に言いますと
行政刷新会議の方におりましたので別の立場から
見ていたんですけれども、この消防をめぐる議論と
いうのは、推測しますに、考え方の違いがやはり
ぶつかり合った面があると思います。
消防というのは、日常、住民の皆さんのために
地域で消火をする、救急をするということですから、
短期間で身近なところで仕事をするということであります。

緊急消防援助隊、まして国際消防援助隊になりますと、
ある程度の期間を置いて地域外で活動をするということ
になりまして、消防のミッションというのは何だろうかという、
やはりそのミッションの相克があったんだろうと思います。

その上で、消防というのは本来の古典的な、やはり
地域に密着した業務に専念すべきではないかという
議論の方がそのときは勝っていたのではないか。
しかし、今日、こうやって見ますと、消防の別の観点が
やはりクローズアップされると、こういうことだろうと思います。

○吉川沙織君

当時と今、大臣お立場違いますし、最近の委員会の
質疑の答弁拝聴をしておりますと、本当に消防予算
充実していかなければならないという姿勢、前面に出て
いらっしゃいますので、是非、大臣、リーダーシップを
取ってやっていただきたいと思います。

消防予算につきましては、先ほど来申し上げております
とおり、これまでも申し上げてきましたとおり、三位一体の
改革を発端として削減され続けてまいりました。
消防費の割合もいかにも少額です。

これら消防予算については、災害や事案が発生して
から補正予算で措置されることがこれまでもたくさん
ございました。

2年前の北朝鮮の弾道ミサイルの発射事案のときも、
Jアラート整備されていないから、結局どこでも使われる
ことありませんでした。その後、麻生政権の最後で100億
以上の予算が付いて整備が推進された。

今回の東日本の大震災があって補正でたくさん
お金が付いた。これから来るかもしれない災害に
備えていま一度、一義的には自治体がやるべき
仕事ですけど、国が国民の命と財産、暮らしを守る
ためにやっていかなければならない消防行政の
在り方をいま一度改めて真正面から向き合う必要を
申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。