第171通常国会/総務委員会議事録(2009年4月23日)
2. 協議会の構成メンバーと現場の声の反映方法
○吉川沙織君
そこで、今回の法改正の二本柱は、救急搬送を円滑に
行うための協議会の設置と実施基準の策定でございますが、
まず協議会についてお伺いしたいと思います。
救急搬送・受入れの実施基準に関する協議を
行うための協議会が都道府県に設置されることになります。
その構成メンバーとしては、消防機関の職員、医療機関の管理者
又はその指定する医師、診療に関する学識経験者の団体の
推薦する者、都道府県の職員、学識経験者等となっております。
しかしながら、これまでの経験を生かすためには、
現場の声は非常に大切になると考えております。
各都道府県に協議会を設置される際、消防機関の職員や
医療機関の管理者又はその指定する医師をどのぐらいの
割合でお入れになるのか、具体的に決まっておりますでしょうか。
消防機関にせよ医療機関にせよ、現場の声をしっかり反映できる
体制にしなければスムーズな連携には結び付かないと考えますが、
御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(岡本保君)
今委員御指摘いただきましたように、都道府県に今回、
その実施基準を定めるために、またそれから、その実施基準に
基づきましたいろんな実施状況を検証し、それをチェックし、
お互いに意見を交換をし、そしてそれをまた新たな実施基準の
見直しに向けて作業していくという意味で、協議会が言わばその
キーステーションとして、消防と医療と、そして言わば学識経験者等の
声を全部調整、討議をする舞台になるわけでございますので、
今御指摘ございましたように、現場の声をそこにきちんと反映をして、
現場に起こった様々な問題点が実施基準に体現をされていくという
形を取ることは非常に重要なことだと思っております。
そういう意味では、それぞれ医療機関の言わば体力と
申しますか、そういう状況は各地域によってそれぞれ区々で
ございますので、どういう割合で、今委員御指摘いただきました
ような消防機関、医療機関、学識経験者あるいは医師会といったような
方々を構成、組み合わせてやるかということは、
これはそれぞれの都道府県でそれぞれの状況に応じて
御議論をいただこうということで、私どもとしてこういう割合が
いいというようなことを現在定めているわけではございません。
○吉川沙織君
現在定めていないということでしたが、ならば現場の声が
多く反映されるように、つまり消防機関の職員の皆さんの
割合を相対的に多くすることは留意すべき事項や検討に
値する事項ではないかと考えます。
なぜならば、今年2月9日に出されました
「消防機関と医療機関の連携のあり方に関する答申」の
平成19年中のデータによりますと、重症以上傷病者の
救急搬送39万件のうち約1万6,000件が、産科・周産期傷病者の
救急搬送においては約2万3,000件のうち約1,300件で、
救急隊が現場に到着してから現場を出発するまでに
30分以上もの時間を要していることが明らかになっています。
これらの現場に立ち会って傷病者と向き合い必死に
命を救う努力をされているのは、言うまでもなく消防職員の
皆さんだからです。
だからこそ、今どこに何が問題があって、どのように解決を
することが有効であるかを身をもって感じられていらっしゃるのが
消防機関の職員の皆さんでありますことから、協議会の設置をするならば、
それを都道府県に任せるというのならばそれで結構なんですが、
消防機関の現場第一線で働いておられる皆さんの声がしっかり
生かされるようにすべきと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(岡本保君)
御指摘いただきましたように、現場におきますまさに選定困難と
いうようないろんな事案が発生していることが今回の法律改正の
一つの端緒でもございます。
そういう意味で、現場における様々な状況、また医療機関側と
消防機関側でのやり取り等が、どうやってそれを円滑にするかと
いうことが大きな課題でございますから、現場の声を踏まえた
実施基準になることが必要だと思っております。
ただ、今回作りますこの実施基準に基づきまして、
それぞれの医療機関におきます選定でございますとか、
今度は、言わばある意味ではそれが一つのルールという形に
なってまいりますので、そのルールを今度は医療機関それから
消防機関側が基本的にはこれを守るという中でそのルールを
定めるということになってまいりますので、そのルールを定めると
いうことがこの協議会の最終的な一番大きな役割でございますから、
そういうことも踏まえた中で、医療現場のそれぞれの、お医者さん側の
声もあると思いますが、そういうことをどのように反映していくかということを
それぞれ各都道府県で工夫してほしいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君)
今お話聞いていて思ったんですけれども、それは医療機関と
消防機関が連携を深めていくという、それで協議会をつくる、
ルール作る、実施基準だと、そういうことなんですけれども、
やっぱり今まで、例えば委員御指摘のような、30分以上出発できない、
搬送先が決まらないという状況の中で、一番危機意識、
何というんでしょうか、困惑の中にあったのは救急隊員の方だろうと
思いますから、そういう方々の意見が通るように、よく反映するような
協議会にしなければならないと、そう思います。
○吉川沙織君
今大臣から、救急隊員の皆様、現場第一線で活動されておられる
皆様の声を反映することの重要性について御答弁をいただきました。
そこで、関連してお伺いしたいんですが、第三十五条の六の、
「総務大臣及び厚生労働大臣は、都道府県に対し、実施基準の
策定又は変更に関し、必要な情報の提供、助言その他の援助を
行うものとする。」という項目がございます。
これは、恐らく具体的には消防庁と厚労省が連携して
実施基準策定のためのガイドラインを作成するということを
指していると思うんですが、この認識は合いますでしょうか。
○政府参考人(岡本保君)
三十五条の六は、今回のまさに消防と医療の連携、
それから地域医療のいろんな意味での確保といったようなこと、
それぞれが各省が連携をしていく中で、まさに消防と医療の
全体としてすき間なく行うことによって、今御指摘いただきましたように、
国民の立場に立って搬送と医療が行われることが適切なわけ
でございますから、総務省それから厚生労働省が密接な連絡を取る
必要があるということから、消防法では初めてでございますが、
総務大臣及び厚生労働大臣という書き方をさせていただいて、
その提供、助言といったものを行いました。
そのやり方をガイドラインという形を作ってやるのか、
それはこれから、例えば全国の消防長会や都道府県と
意見交換をしながら、ある意味ではガイドラインといいますと
典型的なひな形を示すということにもややなりがちなもので
ございますから、そういうことになるのが適当なのか、あるいは
できるだけ現場のいろんな各都道府県の事情を踏まえた方が
いいのかということも意見交換をさせていただきながら、
どういうようなやり方をするか、これから、今御指摘いただいて
おりますような意見も踏まえながらやってまいりたいというふうに考えております。
○吉川沙織君
今、ガイドラインの策定で認識が合うという御答弁だったと
思いますが、なぜ今これを関連してお伺いさせていただいたかといいますと、
実施基準を作るのは都道府県に設置をされる協議会です。
でも、その協議会で実施基準が策定されるにしても、
そのガイドラインが消防庁と厚労省で大臣の意見で
決められるということであれば、そのガイドラインが
もしひな形であれば、そのひな形を作るときに現場の声が
反映されていなければ、結果、協議会でどんなに現場の声を
吸い上げたとしてもそれが反映されないものになってしまう。
そこでお伺いをさせていただいた次第です。
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