吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

第177通常国会/災害対策特別委員会議事録(2011年4月13日)

2011年4月13日

4. 防災行政無線の活用状況と故障実態把握

○吉川沙織君

正確な把握にはもちろん時間が掛かるという
ことは十分承知しておりますが、一昨日、
沿岸部の自治体で防災行政無線の拡声機が
故障をしたところで、山合いにあるスピーカーを
沿岸部に持っていって臨時対応している
ということを首長さんからお伺いしました。

ですから、山合いにあるところは今スピーカーが
ないということですので、一刻も早い復旧が求められる
ことになりますが、被災した自治体は概して財政力の
弱いところが多く、さらに今後数年間は今まで以上に
厳しい財政状況が続くものと考えられます。

このような状況にある中で、故障して全く使えなく
なってしまった防災行政無線を復旧する財源を
全て当該自治体に求めることが適切であるのか
どうか考えていかなければならないと思います。

国費を投じる意向がないのかどうか、お伺いいたします。

○政府参考人(佐々木克樹君)

御指摘のように、住民の生活の安全からは必要
不可欠なものと考えておりますので、一日も早い
復旧が図られるよう、補正予算の検討等を通じまして、
消防庁といたしましても最大限必要な支援を講じて
まいりたいと考えております。

○吉川沙織君

今、補正予算等での対応と答弁ございましたけれども、
衆議院の方の委員会でも副大臣が、補正予算等の
対応で努力をしていきたい旨の答弁ございましたので、
命を守る情報伝達、防災行政無線を聞いて逃げた人が
助かったという話も直接伺ってまいりましたので、

今それを頼りに逃げたり、そして生活をされている
住民の方がいらっしゃる現状に鑑みれば、是非強く
対応していただきたいということを求めたいと思います。

また、避難行動への移行が特に遅くなりがちな
高齢者や障害者等の災害弱者の方に対しては、
行政からの情報は確実に、そしていち早く伝達
されることが求められます。

その手段として、自治体によっては防災行政
無線のスピーカーのみならず、家に戸別受信機を
配布しているような自治体もございます。

また、地形によってハウリングして聞こえなくなる
ようなことがございますので、そういった意味でも
戸別受信機の有用性というのは認められると思います。

3月24日の参議院の総務委員会でも、総務大臣は
消防予算はちゃんと増やしていかなければならないと
いうようなこともおっしゃっていましたので、国として
戸別受信機の貸与事業に関して財政措置は行って
いないとのことですが、消防予算の充実、命を守る
情報伝達との点で戸別受信機の貸与事業についても
検討されるよう期待したいところですが、御見解を
お聞かせください。

○政府参考人(佐々木克樹君)

戸別受信機は、御指摘のように、非常に地域の
ニーズによっては有効な手段であるというふうに
考えております。

今回の復旧に当たりましては、こういった地域の
ニーズに応じた無線の整備ということも考えて
まいりたいというふうに思っておりまして、最大限
必要な支援を講じるように補正予算で検討して
まいりたいというふうに考えております。

○吉川沙織君

今の御答弁ですと、防災行政無線をまずやって
いこうと、でも戸別受信機もその上で検討して
いこうという御答弁でしたので、まず今壊れた
ものを直すのは第一義でしょうけれども、
まだ整備されていないところも市町村合併前の
数値に引き直すと約3割程度、まだスピーカーから
音すら流れてこないという自治体が残されていると
いう事実もありますので、これは野党時代からずっと
質問申し上げてまいりましたし指摘もし続けてまいり
ましたけれども、今回の大震災でその有用性を改めて
皆様に認識をしていただいたことでもありますから、
是非前向きにやっていただきたいと思います。

平成21年度決算における歳出総額に占める
消防費の割合は実に1.9%です。消防予算、
今まで三位一体改革を経て削られ続けて
まいりましたけれども、やっぱり命を守るための
お金ですから、しっかり使っていかなければならない。

また、防災は地方公共団体の役割ですが、
住民の命を守るための整備が自治体の
財政状況によって整備がかなったりかなわなかったり
することが本来あってはならないと考えます。

国民の命、身体、暮らしを守るのは政治の役割に
ほかならないということを申し上げまして、質問を
終わらせていただきます。
ありがとうございました。