吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

第186通常国会/総務委員会(2014年5月15日)

2014年5月15日
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質疑模様、新藤総務大臣答弁

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質疑模様

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議事録一覧

80分の質疑内容について、参議院webページからそのまま引用しています。
大まかな項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。

5月15日の総務委員会では、地方自治法の一部を
改正する法律案に対し、80分の質疑に立ちました。

主な質疑内容

地方自治体の一部を改正する法律案は、第30次
地方制度調査会答申を踏まえたものであることから、
同答申に対する総務省の認識を中心に質疑に臨みました。

(1)東日本大震災を踏まえた基礎自治体の担うべき役割や行政体制の在り方 [総務省]

1-1.第30次地制調への総理諮問と震災の教訓と課題への対応
1-2.大災害時の行政体制、自治体支援の在り方を含めた地方行政体制

(2)人口減少社会における地方行政体制のイメージと地方中枢拠点都市 [総務省]

2-1.地域社会の将来予測に対するビジョン
2-2.地方中枢拠点都市の概念

(3)大都市圏と都市機能、三大都市圏等と成長戦略 [総務省]

3-1.第30次地制調答申における「拠点」の意味
3-2.「集約とネットワーク化」が進まない理由
3-3.三大都市圏についての見解

(4)効率化優先路線への懸念 [総務省]

(5)財政危機と地方自治体再編 [総務省]

(6)基礎自治体と総合行政 [総務省]

6-1.「基礎自治体」という言葉が使われ始めた時期と趣旨
6-2.答申と「基礎自治体」論との整合
6-3.三大都市圏の市町村合併に対する見解

(7)道州制と基礎自治体への補完 [総務省]

7-1.先端的取り組みを行う自治体に対する見解
7-2.足元の地方自治の充実に努めることに対する見解
7-3.今後の議論の課題と方向性

概略

(1)について

第30次地方制度調査会答申を踏まえ、法律改正に至って
いることから、まず総理諮問事項について総務省の見解を
質しました。中には、東日本大震災を踏まえた基礎自治体が
担うべき役割、行政体制の在り方についての議論があった
ことから、総務省に改めて確認した上で、大災害時の行政
体制、自治体支援の在り方を含めた地方行政体制について
確認しました。

(2)について

戦後、我が国は3度にわたって地方から大都市圏へ大量の
人口移動が発生しています。政府はそれぞれに併せ、全国総合
開発計画を策定し続けていますが、これらの基本的考え方は
地方の中枢都市の余力を基に過疎地、地方圏を支援し、国土の
均衡ある発展論に基づくものでした。人口減少社会に突入して
いる我が国において、地域社会の将来予測に対するビジョンと
今回掲げた地方中枢拠点都市の概念について総務省に見解を
質しました。

(3)について

答申は、「三大都市圏から地方圏への人の流れを作るため
にも、地域を支える拠点の構築が課題となる」とされています。
しかし、地方圏の拠点は、国土のバランスを再構築するという
位置付けではなく、都市・生活機能を確保するという現状維持、
少子高齢に対応してサービスを維持するという役割が強調され
ています。拠点が圏域全体の面倒を見て自立圏になるように、
と読めなくもないことから、総務省に認識を質しました。

(4)について

答申では、人口減少と高齢化を理由に、これからの自治体に
必要なのは公共サービスの供給体制の効率化であることが
繰り返し唱えられています。財政の効率化の論理を優先する
場合には、結果的に都市住民が望む公共サービスが停滞
あるいは縮小してしまい、強い者が強い者としてだけ暮らす
都市になってしまう懸念について質しました。

(5)について

地方が主体となって環境重視型の都市を目指すの
とは対照的に、財政危機を理由に国が上から都市
構造を改変させるということが海外において実例と
して存在しています。海外における地方自治体の再編
措置について、総務省の認識を問いました。

(6)について

地方制度調査会を始め総務省関係の文書では、市町村
あるいは市区町村のことを基礎自治体と表すことが定着
していますが、法律用語として用いられているわけではなく、
以前は基礎的自治体とされていました。基礎自治体という
言葉を用い始めた時期と趣旨について尋ね、基礎自治体
は基礎的自治体という言葉と比べ、市町村と都道府県の
対等性と役割分担、地方自治の担い手である意味合いを
より強く意識した用語であることを確認しました。

(7)について

国と都道府県と市町村を国と道州と基礎自治体で構成
される地方自治制度に変えるのが道州制だとすれば、
小規模市町村の解消を促すことになってしまいかねません。
第30次地制調答申は、市町村間での水平連携の推進と
同時に、水平間で連携し切れない場合は、都道府県が
事務の一部を市町村に代わって処理することを打ち出して
います。また、知事によっては道州制には一定の距離を
置いて、水平補完と垂直補完の両面から基礎自治体を
支える先端的取り組みをしている県もあることから、これら
の動きについて総務省に問うとともに、第31次地制調を
含めた今後の議論の方向性について見解を質しました。