吉川さおり 参議院議員(全国比例)

活動記録

NTT R&Dフォーラム Road to IOWN 2022(詳細版)

2022年11月21日

今回のR&Dフォーラムの概要はすでに記したところですが、IOWN構想を3つのフェーズに分けた技術活用シーンについて、視察した中からいくつか紹介したいと思います。

[IOWN Now]”いま使えるIOWN”について、具体的なシステムや取り組み事例
[IOWN Evolution]2030年までにIOWNが描くスマート社会/世界のユースケース
[IOWN Future]IOWN構想のさらなる進化の礎となる「世界一・世界初」のR&D
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[IOWN Now]
IOWN APNを活用した手術ロボットの遠隔利用

遠隔医療において、高速・広帯域、低遅延を実現できるAll Photonics Network(APN)技術を適用することで、遅延や揺らぎのない自然な遠隔操作、高品質な映像とクリアな音声による遠隔コミュニケーションが可能となります。

従来のインターネット環境では、同拠点ではないユーザAとユーザBにおいてはパケット混雑や複数のルータを経由することにより、どうしても異なる通信環境となってしまいます。IOWN APNは同じ通信環境を実現する技術であり、そのユースケースとして遠隔医療やeスポーツ遠隔対戦などがあります。

APN直結による低遅延化・揺らぎゼロ化

遅延1,000分の1秒以下、揺らぎなし

 

 

 

 

 

 

 

 

手術拠点(hinotoriオペレーションユニット)

遠隔拠点(hinotoriサージョンコックピット)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外科医が不足している現状、遠隔拠点からの手術支援を可能とすることで、外科医の移動を伴わない手術件数の増加と外科医の育成が可能になり、すでに実用化フェーズにある手術ロボットと遠隔拠点から低遅延で利用するためのIOWNAPNを組み合わせることで高品質な遠隔手術支援が可能となっています。

遠隔拠点(hinotoriサージョンコックピット)

手のひらサイズの模型

実際にデモ体験をさせていただきましたが、遅延をまったく感じることなく120km先の模型を細かく動かすことができました。
同型の模型(→)を見せていただいたのですが、手のひらサイズの小さなものでした。訓練していない私でも突起物を引っ張ったり、そこにかかっている小さな輪ゴムを移動させたりすることができました。遅延がまったくありませんでしたので、医師の方でしたら遠隔手術は十分可能だと実感できました。

[IOWN Evolution]
4Dデジタル基盤技術活用

高精度な地図の上にスマートフォンや車などのセンシングデータを統合して人や街全体の状況を理解した上で、デジタルツインコンピューティング技術により、未来予測・シミュレーションを行うことで、街区運営(ロボット配送等)、インフラ管理、交通整流化、防災など、「快適な街づくり」を実現します。

4Dデジタル基盤は、デジタルツインコンピューティングを実現するためのプラットフォームです。地図データや3D空間情報を組み合わせた「高度地理空間情報データベース」と、高度な位置情報・時刻情報を持つ「センシングデータ」をリアルタイムに統合します。

その地図は、点群データを用いることになります。点群データとは、位置情報(空間座標(x、y、z))と色情報を持った点の情報を集めたデータです。単なる点と異なるのは、各点が位置情報等を含んでいることです。

市街地において、NTTで言えば、電柱(電柱にも電力と共用する共架柱など種類がいくつかあります)など社会インフラ設備は高度経済成長期に建設されたものの多くが利用され続けており、老朽化が進んでいます。

担ぐタイプの計測装置

災害発生時など、目視で電柱の傾きや被害状況を確認する必要がありましたが、点群データは位置情報等を含むため、たとえばマンホールなどそう簡単に位置がズレないものを起点に計測すれば、数センチの傾きであっても計測車等から瞬時に把握できるようになります。

IOWNの超高速通信・処理により、広範囲・大規模・複雑な全体最適化はもちろん、より良いインフラ管理や防災対策を実現していきます。

[IOWN Future]
モバイルセンシングと生体情報処理による身体機能の評価

さまざまな生体データから健康状態のシミュレーションを行うバイオデジタルツインの技術として、展開可能なところまできています。

脳卒中患者の入院中の活動モニタリングを通じ、より良好な形での退院や日常復帰を支援するもので、東レと藤田医科大学と共同で研究を進めています。ウェアラブルデバイスにより、24時間の活動をモニタリングし、患者本人やそのご家族の安心、個別化医療への貢献やほかの疾患、在宅医療への展開を可能とするものです。

また、心疾患については、心疾患・心臓治療後患者による運動療法が全死亡を42%減少するというデータがあるにもかかわらず、我が国における運動療法の普及は4~8%にとどまっており、これをバイオデジタルツインによりバーチャルCPX(心肺運動負荷試験)を実現しようとするものです。

 

 

 

 

[IOWN Future]
落雷制御・充電技術

落雷をコントロールして社会を守るため、ドローンを利用した落雷制御技術等の最先端の研究開発内容について実証実験等の状況もあわせてうかがいました。

 

 

 

 

 

 

 


[IOWN Future]
IOWN時代のメタバース

高松港の北約7.5kmに浮かぶ男木島で数日間3D点群カメラを背負って撮影した映像を元にした近未来像を音と映像で視聴しました。3D点群データによる映像も音響も素晴らしく、しばし引き込まれてしまいました。実際に登場したのは俳優1人であとは映像でしたが、IOWN時代のメタバースをなんとなく想像することができました。

今後もたらす価値や未来として、空間・時間・身体的な制約を超えた活動・体験の実現が可能となります。

たとえば、遠く離れた場所に自由に行くことができるようになります。また、自己の分身の経験(自身の代わりにサイバー空間で活動し、経験を還元する)による新たな気づきや発見も可能となり、多様なコミュニティの形成にもつながります。

3D点群計測装置

男木島を体験(360度展開)

 

IOWN Futureとしてまだ先のことですし、これには光もあれば影もあると思いますが、活用できる技術は活用して豊かな社会を創るツールのひとつとなればと思います。

 

 

光電融合デバイス


[IOWN Now]

APNを支える光・電子デバイス技術

誰もが大容量・低遅延の光伝送を体験できる「IOWN APN」の実現には、超広帯域の光信号を送受信できる専用デバイスが不可欠です。

大容量データを遠くまで低遅延で送る「マルチコアファイバ」や、電気信号と光信号を低消費電力で変換する「光電融合デバイス」など、さまざまな基礎技術があってこそIOWN構想は実現できます。

今から10数年前、いわゆる「光の道構想」では政治的にいろいろ苦労しましたが、その前段に曲げることのできる光ファイバが開発されてから、一気にその研究は加速度を増し、今となっては、光ファイバは曲がるのは当然でものすごく細く、その細い中にマルチコアファイバ(4コア)も登場、これとシングルコアファイバの接続も可能になるなど、研究は日進月歩です。

光ファイバ(とにかく細い!)

国の研究開発費が削られている中、NTTグループが担う基礎研究に期待される比重は大きくなっているのではないかと思いますし、まだ耐えている方だと思っています。

私は研究開発職ではありませんでしたが、同期や先輩の奮闘はよく知っていますし、基礎研究の大切さはこれまでの経験でも実感しています。

何事も基礎や基本があってこそ、を肝に銘じて今後も活動していきたいと思っています。

研究内容や成果を紹介いただく中で、SI営業の醍醐味を思い出し、社会課題の解決のためにいろんなソリューションを久々に提案したいなあ、と思わせていただいた今年のR&Dフォーラムでした。

NTT武蔵野研究開発センタ

少し長くなってしまいましたが、これでも見せていただいたほんの一部の紹介です。

これを機に、改めて定期的に最新のテクノロジーやソリューションを勉強しようと思いました。大学のSI営業を担当していた際、初の自立二足歩行ヒューマノイドロボット(全学情報環境システムを構成する物品のひとつ)を受注して納品したこともあります。

皆様、本当にありがとうございました!

 

活動記録